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水野俊哉, 成功本50冊「勝ち抜け」案内

いわゆる「成功本」の解説書だが、単なるカタログにとどまらず、起業経験もある著者の意思がきちんと入っているのが頼もしい。巻末に多くの成功本の共通項を抜き出した成功法則がまとめられているが、どれも納得できるものばかり。カタログ部分も手を抜いていない。概要に加えて、誤読しやすい点が指摘されているのもポイント。取り上げられている本はあえて振れ幅を広くとった印象がある。デール・カーネギーやナポレオン・ヒルといった定番からスピリチュアル系のトンデモ本まで種類に富む。
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谷口正次, メタル・ウォーズ 中国が世界の鉱物資源を支配する

ベースメタル、レアメタル、レアアースといった鉱物資源の世界規模での奪い合いを描いた作品。著者は小野田セメント出身で世界各地での鉱山開発の経験を通じて資源戦争 (メタル・ウォーズ) の現状を熟知しているため、日本の資源戦略のお粗末さに対する怒りが強く感じられる。マクロで見た統計的な情報と、自身の経験や現地取材によるミクロな情報の両方がきちんと押さえられており、資源戦争の現状を把握するには最良の一冊。反面、読み物として見ると少々厳しい。前半半分程度を中国の資源囲い込みの実例が占め...
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武内修二, マンション・チラシ解読術 “販促ワザ” を見抜く法

マンション・チラシの定点観測の管理人による著書。デベロッパー視点でのマンション・チラシの読み方は単純に読み物として面白い。ただしあくまでも断片的な小ネタの集まりに過ぎず、マンションのチェックポイントを網羅しているわけでもないので、過信し過ぎないように。
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田嶋幸三, 「言語技術」が日本のサッカーを変える

世界レベルのサッカーを実現するには自分の考えを言葉にする表現力が必要との論。自分のプレーの意図、他のプレイヤーへの要求などを明確に説明できるプレイヤーとそうでないプレイヤーで成長が大きく異なるというのは、言われてみれば当たり前だが実践できている現場は少ない。本書はJFA (日本サッカー協会) が、どのように選手やコーチを育成し、言語技術を伸ばしているかがJFAアカデミーやS級ライセンス講習の実例と共に語られる。サッカーを主対象にしているものの、サッカー以外のスポーツにも普遍的...
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桑嶋健一, 不確実性のマネジメント 新薬創出のR&Dの「解」

門外漢の自分は、医薬品産業の研究開発は一攫千金の宝探しの感覚で捉えていた。しかしながら、その研究開発の詳細をつぶさに見ていくと、そういった宝探し的な部分は研究開発初期の探索段階に限ったものであり、その後の開発段階ではマネジメントが非常に大きな要素を占めていることがわかる。副題にもある通り医薬品産業を主に扱った本であり、事例も高脂血症治療薬「メバロチン」や痴呆治療薬「アリセプト」といった医薬品中心だが、後半ではより高い視点にたった産業間比較も行われており他業界の研究開発にも参考...
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斎藤充功, ルポ 出所者の現実

最近では刑務所内の生活などは知られることも多くなったが、出所者のその後の生活に関する情報はまだまだ少ない。新書の制限による限界はあるものの、刑務所の基礎知識や出所者に関する統計的な調査はもちろんのこと、出所者へのインタビューや近年の出所者への支援活動も広く押さえられている。出所者の自立更生と再犯防止を考えるきっかけの一冊としておすすめできる。
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山下努, 不動産絶望未来 これからの住宅購入は「時間地価」で探せ!

不動産購入の際はマクロ経済の動きを見るべき、という主張は一理ある。どの不動産が上がるかをまともな精度で予測できるかというと疑問だが、少なくとも明らかに目のない不動産を弾く役には立つだろう。文章は癖が強く、独自の造語が空回りしている感がある。自身の成功例自慢が繰り返されるのも鼻につく。
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太田光, 田中裕二, 遠藤秀紀, 爆笑問題のニッポンの教養 人間は失敗作である 比較解剖学

遺体科学の第一人者として有名な遠藤秀紀の研究室を爆笑問題の2人が訪問するスタイル。元はテレビ番組らしいが観ていない。動物の遺体解剖の話はいくら読んでも飽きることがなく、知的好奇心を刺激し続けてくれる。後半には行政改革に対する怒りも。博物館や動物園が本業の研究や教育の土台作りに注力できず、手早く収入を得るために遊園地化せざるを得ない状況に対する危機感が伝わってくる。
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葉山宏孝, AD (アシスタントディレクター) 残酷物語 テレビ業界で見た悪夢

著者は制作会社でのAD経験者。今でこそネットを通じてADの待遇が知られることも増えたが、活字メディアでの内情暴露はまだまだ貴重。著者はルポタージュのつもりで書いているようだが、それにしては踏み込みが浅い。一人の体験談として読むのならば実に興味深い内容。
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坂口孝則, 激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ 10円缶コーヒーでもなぜ利益が出せるのか?

財務会計の入門書だが、身近な事例を豊富に取り上げており文章も平易なので、かなり読みやすい部類。専門家には物足りないかもしれないが、 "限界利益って何?" という人にはお勧めできる。