book

book

松原隆一郎, 堀部安嗣, 書庫を建てる 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト

巻頭の美しい写真に、本書の価値のほぼすべてが詰まっている。 本好きならば一度は夢想する書庫を本当に体現してしまったのは、ただただ羨ましい。それでも狭小住宅であるがために、庶民にももしかしたらという夢を抱かせてくれる。 なお、目の前の蔵書を整理する助けにはまったくならないので、その方面のヒントを探している方はご注意を。
book

finalvent, 考える生き方

極東ブログらを手がけるfinalvent氏による自伝。波乱万丈な人生は送っているものの、社会的に超名人というわけではない人物の自伝が出版されるというのは、ブログ時代の面白さだろう。 本人は負け組を自称しているが、幅広い見識を持ち、曲がりなりにも文筆業で家族を養っている以上、謙遜のし過ぎというものだろう。内容はその波乱万丈な人生を写すかのように雑多なものだが、人生との折り合いの付け方など共感できる部分が多い。
comic

鈴木良雄, フルーツ宅配便 (2)

前巻に続いて人情噺が中心。一本のネタを引っ張らずにきちんと一話完結を続けているのには頭が下がる。
book

大川慎太郎, 不屈の棋士

ブームのコンピュータ将棋本だが、コンピュータ将棋そのものではなく棋士へのインタビューを主題に据えた企画が秀逸。もちろん、コンピュータ将棋の事前知識なしでも楽しめる。 羽生、渡辺、森内、佐藤らのトップ棋士がコンピュータ将棋をどう捉えているのか、先駆者たちはコンピュータ将棋をどう活用しているのか、コンピュータ将棋がトップ棋士を越えようとしている現在だからこそ様々な思いが交錯している様子が浮かび上がってくる。おすすめ。
book

ティモシー・フェリス(著), 田中じゅん(訳), 「週4時間」だけ働く。

かなり豪快なアウトソーシングにより、労働時間の削減を目指す方法論。かなりプライベート寄りな雑務までアウトソーシングしようという発想は自分にはないものだったため、強い刺激を受けた。 実現のために必要な各種サイトが示されているのも良い。ただし、基本的に英語限定のサービス中心であるのと、現在では少し古くなっている情報もあるのは注意が必要。
book

首都圏鉄道路線研究会, 沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿

首都圏の主要路線の格付け本。 内容は薄めなので、あるあるネタを楽しむくらいでどうぞ。
comic

吉富昭仁, へんなねえさん

吉富先生の作品を読むのはローンナイト以来だが、こんな一面があるとは思いもよらなかった。軽めのSF短編集かと思わせて、意外な仕掛けがこれでもかと詰め込まれているのも良い。おすすめ。
book

三木義一, 日本の税金 新版

直球のタイトルだが、その看板に偽りなし。 日本の税金がどのような仕組みで成り立っているかが高い視点から解説されており、小手先の節税本などとは一線を画している。即座に役に立つ本ではないが、税の基本を学ぶ教科書としておすすめできる。
book

歌野晶午, 増補版 放浪探偵と七つの殺人

8本の短編が詰め込まれているが、引き伸ばせば長編にできそうな作品も多く、かなり濃い目。 歯ごたえのあるパズラー指向の作品が多く、その種の作品が好みならば間違いない。特に、"有罪としての不在" は出色の出来。 探偵役の信濃譲二が登場する他の作品は読んでいないが、問題なく楽しめた。
comic

広田奈都美, 漫画家は見た! マイホーム業界のあやしいウラ事情

タイトル通りのマイホーム裏話集。 著者が信頼する一級建築士にインタビューした内容をマンガに起こしたもの。その一人の建築士の意見を鵜呑みにしており別に裏を取った様子もないので、参考程度に読むのが良さそう。