comic 竜崎遼児, どぐされ球団 懐かしの作品がKindleで復刻されていたのでまとめ買い。全11巻のセットで121円。代打専業の主人公やアウトロー選手の集まった球団など、今読み返してみると水島新司の影響を強く感じる (本作の前にあぶさんや野球狂の詩が開始している) 。それでもただの二番煎じになっていないのは見事で、今でも鑑賞に耐える作品。 2016-09-13 comic
book 橋本歌麻呂, 外資系コンサルタントの図解の技術 コンサルタント好みの図を手軽に作るためのテンプレート集。かなり初心者向けなので、プレゼン資料作りに馴染みのない向きには良いかもしれない。 2016-09-10 book
book 米本和広, 洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇 カルト村で生まれました。で気になって読み始めたが、大変な労作だった。何と言っても、ヤマギシ会への入会に必須となっている特別講習研鑽会 (特講) への潜入ルポが見事。観察者として臨みながらも影響を受けてしまう様子には特講の巧みさとその恐ろしさを感じざるを得ない。斎藤環ら精神医学の視点からの分析も実に興味深く、特講が (理論に基づいて構築されているかは別にして) いかに効果的で危険な仕組みかを裏付けてくれる。おすすめ。 2016-09-07 book
comic 九井諒子, ダンジョン飯 (3) 人気のおかげでコンビニ売りもあるのが、いただきもののQUOカードが余ってる人間にはうれしい。前巻まではあまり深く掘り下げられていなかったマルシルとファリンの関係が見えてきたり、過去のパーティの仲間が登場したりと、物語に深みが出てきた。 2016-08-29 comic
comic 高田かや, カルト村で生まれました。 ヤマギシズム学園出身の女性の体験談。コミックエッセイ風の軽いタッチで描かれているが、内容はかなり壮絶。著者が (少なくとも作中では) 前向きであることは救いだが、適応できなかった二世のことを思うといたたまれなくなる。 2016-08-26 comic
book 詠坂雄二, リロ・グラ・シスタ the little glass sister 文体はかなり癖が強く、世界観もどこかゲーム的。そこが良い。ひとつひとつの仕掛けだけを見ると古典的ではあるが、それらを多数組み合わせて学園ハードボイルドの味付けをすることで見事な個性を生んでいる。 2016-08-16 book
book 日経デザイン(編), パッケージデザインの教科書 表題通りパッケージデザインに特化した内容で、かなり工業デザイン寄り。飲料容器などの重点分野は製造工程の基礎から学べるように工夫されている。色の印象など主観的な部分は統計調査による裏付けを加えているのも良い。 2016-08-08 book
book 上村雅之, 細井浩一, 中村彰憲, ファミコンとその時代 本書は二部構成で、ビデオゲームの誕生からファミコンの開発までを上村雅之が綴った第一部と、ファミコンが産業や社会に与えた影響を考察した第二部から成っている。巻末には、上村雅之と細井浩一の対談も収録されている。やはり眼目は上村の第一部。ファミコンの開発や設計思想といった上村でなければ語れない内容は濃く、今後ビデオゲーム史を研究する人々にとって第一級史料となりうるだろう。ファミコンに至るまでのビデオゲームの歴史が上村の視点から示されているのも興味深い。 2016-08-05 book
book 帚木蓬生, やめられない ギャンブル地獄からの生還 ギャンブル依存症の治療を専門とする医師による著作。読み始めて早々、冒頭のギャンブル依存症の患者による手記6本に大きな衝撃を受ける。彼らの心理は決して共感できるものではないが、表題にもある "やめられない" 状態に陥るプロセスが痛いほどよく分かる。その後に続くギャンブル依存症の基礎知識や自助グループ (ギャンブラーズ・アノニマス) の解説も平易でありながら、病的ギャンブリングの恐ろしさがひしひしと伝わってくる。おすすめ。 2016-08-01 book
book 内澤旬子, 世界屠畜紀行 世界中の肉食文化地域の屠畜の様子を扱うドキュメンタリ。屠畜の現場の様子や地域差はもちろんのこと、賤業とされがちな屠畜業者の各社会における位置付けを重視した取材が印象的。紀行文に添えられた味のあるイラストも良い。 2016-07-27 book