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松本圭司, チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ

B級グルメ本だが、チェーン店に絞ったところがミソ。良さそうなメニューが見つかったら気軽に近場で試せる。カラーページ数の抑制の都合からか、写真のレイアウトが妙なのが残念。
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こうざいきよ, 財布の中身 inside of your secret life

様々な人の財布の中身を見せてもらおうという企画本。見開きの写真に一言コメントが付くスタイル。作者の交友関係からか対象はかなり偏っており、若い学生が中心で年配の方は少なめ。この種の本は数十年後に資料価値が出てくる気がする。
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太田あや, 東大合格生のノートはどうして美しいのか

ノートの取り方の解説本。表題通りの東大生のものを中心に、ノートの実物を多数収録。400冊以上のノートを集めたという労作だが、肝心の分析は浅め。一応、東大生のノートに見られる法則は挙げられているものの、主観的な基準が多い上に対照群がないので東大生のノートに特有の法則かは分からない。
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安島太佳由, 日本戦跡を歩く

日本全国の戦跡を巡り写真を撮り続けた労作。特に掩体壕への愛は素晴らしい。現存している戦跡は全国に散らばっているため、なかなか気軽に見に行けるものが少ないのは残念。2002年の発行のため、幾つかは既に失われている点にも注意。
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マーサ・スタウト(著), 木村博江(訳), 良心をもたない人たち 25人に1人という恐怖

米国では人口の4%を占める (アジアではこれよりもだいぶ少ない) と言われるSociopath/Psychopathの実態。心理セラピストとしての経験から得られた実際のエピソードを基にしており、Sociopath/Psychopathの行動原理が非常によく分かる。また、彼ら/彼女らに振り回されないための13のルールも実に興味深い。
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デビッド・パークス(著), ロス・ブライアン(著), 友清仁(訳), 最強軍団アメリカ海兵隊

アメリカ海兵隊の解説書。著者は海兵隊の広報誌の編集などに携わっていることもあり、ところどころに広報の匂いがする。しかしながら、その分を差し引いても入門書としては非常に優れており、海兵隊という組織を大掴みするには十分な内容。
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Lynd Ward, Mad Man’s Drum: A Novel in Woodcuts

120枚の木版画により語られる不思議な物語。David A. Beronäによる冒頭のIntroduction以外は一切文字もなし。丹念に読めばおおまかなストーリーは理解できるが、中盤以降の細かな解釈には確信が持てない部分が多い。笛吹きの正体は何か、昆虫学から天文学への転向の意味するところは何か。
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松田道弘, 世界のジョーク事典

大御所の松田道弘が編んだジョーク集。分類が、ある時はジョークの種類だったり、ある時はジョーク内の要素だったりと安定しないが、各ジョークの質は悪くない。
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秀良子, おしゃべりは、朝ごはんのあとで。

外食での朝食をテーマにしたゆるめのエッセイコミック。表紙は一見BL風だが、主役はこの男性ではなく作者である黒い小人の方。食べ歩きの企画自体に新味はないが、マンガとしての完成度は高く、くすりと笑える小ネタも多い。
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山本佳世子, 研究費が増やせるメディア活用術

表題はやや誇大広告気味で、直接的に研究費の獲得に繋がる話題はほとんどなし。大半を占めるのは研究者とマスコミの付き合い方の話題。著者は日刊工業新聞に務める傍ら大学の非常勤講師も務めているが、立ち位置は完全にマスコミ寄りで、マスコミの論理を正当化するための記述が目立つ。