review

book

川島博之, 電力危機をあおってはいけない

いわゆる脱原発論だが、自然エネルギー派ではなく、人口減により必要な電力が減っていくので石炭・石油・天然ガスで十分にまかなえるとの論。データも出自がしっかりしているものが多く、理論的なギャップも少ない。ただし、本書の対象はあくまでも電力であり、エネルギー全般を論じているわけではない点には注意が必要。数字や計算式が多い本にも関わらず縦組みになっている点だけが残念。
movie

オフサイド・ガールズ

女性のサッカー観戦が禁止されているイランで、それでも試合をひと目見ようとスタジアムに潜り込む女性たち。日本人の感覚では想像しにくい窮屈な世界ながらも、決して暗くなり過ぎずに女性の逞しさを前面に押し出しているので余韻は悪くない。
book

都築響一, だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ

書店ガイドと書評を合わせたような本。全編から一貫して本への愛が感じられる。書評はややサブカルチャー寄りのものや写真集が中心だが、普段それらをあまり読まない自分にも興味を惹かれるものが多い。
book

リチャード・ワイズマン(著), 木村博江(訳), その科学が成功を決める

最新の心理学研究の成果を用いて、自己啓発本でよく語られる言説を検証している。文献調査もきちんとしており、主観的な記述ばかりの自己啓発本よりははるかに納得感がある。おすすめ。
book

京都純典(企画・監修), プロ野球本当の実力がわかる本 2013-2014

2009年度版以来の復活。相変わらずセイバーメトリクスの主要な指標を並べた表が掲げられているだけで工夫はない。野手の指標はOPS, SecA, TA, BB/K, PA/BB, IsoD, ISO, wOBA, wRAA, wRC, BABIP, RCAA, RC, RC27と、公式戦成績から算出できるもののみ。守備に関する指標は一切なし。投手の指標はQS%, FIP, WHIP, NP/IP< K/9, BB/9, K/BB, BABIP, RSAA, ゴロ率, フライ率,...
comic

大和田秀樹 (10) (11), ムダヅモ無き改革

10巻からは新章の "血戦!!尖閣諸島沖波高シ!!" 。ややマンネリ化しつつあるが、それでも一気に読ませるだけの勢いは失っていない。
comic

西原理恵子, いけちゃんとぼく

パーマネント野ばらの様な情緒派マンガかと思って読んでいたら最後に見事に裏切られた。帯のコメントにもあるように、再読して初めて意味がわかる仕掛けがそこかしこに散りばめられている。ぜひ繰り返してじっくり読んで欲しい。
book

矢沢永吉, アー・ユー・ハッピー?

以来、20数年ぶりの著作。相変わらずの矢沢節でグイグイと惹き込まれる魅力がある。離婚問題や鬱憤晴らしと思われる表現などあまり褒められない部分もあるが、そういったものもすべて引っくるめての魅力だろうと思う。
book

中村敏雄, 出原泰明, 等々力賢治, 現代スポーツ論 スポーツの時代をどうつくるか

25年前の書籍だがまったく古さを感じさせず、現在でも通用する議論が多い。特に、出原泰明が "スポーツとクラブ" や "スポーツの社会的条件" で示したスポーツの環境を整えるための競技者の自助努力が現在でも未だ不十分なのは明らかだろう。
game

428 封鎖された渋谷で

久しぶりにiPhoneでゲーム。428 封鎖された渋谷で。サウンドノベルの肝となるシナリオはもちろんのこと、システムや演出も良く練られており、最後まで飽きさせない。ゲームとしての難易度は、クリアするだけならばかなり低め。ただし、真ENDや隠しシナリオを含めて本格的なやり込みが必要。