review

book

高橋洋一, バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

負債だけではなく資産の部分も併せて見ることで、日本政府や特殊法人の実態を精査しようという試み。"バランスシート" と書かれているものの、会計で言うところの正規のバランスシートを扱ったものではないので注意が必要。所々に入っている恨み節が気になるが、読み物としては及第点。最終章の国際政治の話題は本書のスコープから逸脱している様に感じる。
book

麻耶雄嵩, 痾

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) の実質的な続編。といいつつも、繋がりはやや大人しめ。相変わらず後味が悪い作品。麻耶雄嵩らしい豪快な仕掛けから来るカタルシスはあるものの、やはり腑に落ちない部分が多い。文章としては前作よりやや読みやすくなっているように感じる。
product

かつおぶし削り オカカ

数年間迷った末についに購入。挿入する鰹節の面だけは気にする必要があるが、その他は何の技術もいらない替え刃の交換以外、ほぼメンテナンスフリーなのもありがたいハンドル込みだと意外にかさばる点には注意が必要
book

中村淳彦, デフレ化するセックス

AV女優を始めとしたセックス産業のドキュメンタリー。従来の著作と異なるのは、デフレ下で貧困状態に陥っているケースが多い実態にフォーカスしていること。当事者へのインタビューを元に可処分所得などを推計していくスタイル。インタビューはあまり裏を取らずに発言をそのまま信用しているように見えるので話半分で。
comic

谷口ジロー(画), 夢枕獏(作), 神々の山嶺 (1) (2) (3) (4) (5)

全巻一気読み。文句なしに面白い。ジョージ・マロリーのカメラの謎 (本作の執筆は1999年のMallory and Irvine Research Expeditionによる遺体発見前) がストーリーの軸となっているものの、それが霞むほどに登山家達の生き様が濃く描かれている。森田勝や長谷川恒男をモデルとした登山家達の想い、氷壁の登攀、山中での食事など、どの描写をとっても一級品。おすすめ。
game

Magic 2014 – Deck Pack 1

Magic 2014 - Duels of the Planeswalkersの追加デッキ集。Expansion Packに続いての拡張。Magic 2014 - Deck Pack 1。新デッキは2種類。メタ上位から順に以下の通り。Bounce and Boon (白単バウンス) が今回のトップメタ。Momentary Blinkを利用したBlink系ではなくRescue系。Flash持ちも多いため、Instant timingで動けるのが嬉しい。サブテーマとしてlife ...
book

Eric Freeman, Elisabeth Freeman, Kathy Sierra, Bert Bates, Head First Design Patterns

デザインパターンの入門書。O'Reillyの分厚い本だが、Head Firstシリーズだけあって気軽に読める。ややコスプレなどのお遊びが過ぎるのはご愛敬。すべてのデザインパターンを網羅しているわけではなく、主要なものに限定して詳細に解説するスタイル。解説で取り上げている例題も身近な題材ながらよく練られており、デザインパターの有り難みがよく分かる仕組みになっている。入門書としてみると、演習問題が多めなのも良い。サンプルコードはすべてJava。今風の動的言語に適用するには一工夫が...
book

水野学, アウトプットのスイッチ

表題にある "アウトプット" は商品のデザインやパッケージだけではなく、その背景にある企業理念なども含んだ広い意味。その広い視点で売れる商品を考えようという試み。著者自身が携わってきた商品の実例に沿った解説が中心。アウトプットを作り出す様々な手法の紹介もそれらの実例に沿った形で断片的に行われるため、全体像をあまり体系立てて学ぶのには向かないが、手法のヒントを探すのには良い本。
book

麻耶雄嵩, 神様ゲーム

児童向けレーベルのミステリーランドにも関わらず麻耶雄嵩全開なところが素晴らしい。内容は子供向けではなく、オチも子供に理解できるものとは思えない。麻耶雄嵩ファンの大人向けとしては佳作。
comic

いけだたかし, 34歳無職さん (3)

前巻に続き、重めの背景がじわじわと明らかに。日常ネタの方は円熟期。こちらは安心して楽しめる。