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水野学, アウトプットのスイッチ

表題にある "アウトプット" は商品のデザインやパッケージだけではなく、その背景にある企業理念なども含んだ広い意味。その広い視点で売れる商品を考えようという試み。著者自身が携わってきた商品の実例に沿った解説が中心。アウトプットを作り出す様々な手法の紹介もそれらの実例に沿った形で断片的に行われるため、全体像をあまり体系立てて学ぶのには向かないが、手法のヒントを探すのには良い本。
book

麻耶雄嵩, 神様ゲーム

児童向けレーベルのミステリーランドにも関わらず麻耶雄嵩全開なところが素晴らしい。内容は子供向けではなく、オチも子供に理解できるものとは思えない。麻耶雄嵩ファンの大人向けとしては佳作。
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いけだたかし, 34歳無職さん (3)

前巻に続き、重めの背景がじわじわと明らかに。日常ネタの方は円熟期。こちらは安心して楽しめる。
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ASIOS, アンドリュー・ウォールナー, 検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち” の情報は正しいか

3.11後に生まれた様々なトンデモ論にひとつひとつツッコミを入れていくスタイル。誤りに赤を入れていく形式のため、震災や原子力を体系立てて学ぶのには向かず、あくまでも娯楽として楽しむ本。ややマイナーな人工地震説や予言にページを割きすぎている感はあるものの、主要なトンデモ論は概ねカバーされている様に見える。
comic

石田敦子, 球場ラヴァーズ だって野球が好きじゃけん (1)

球場ラヴァーズの2本めのスピンオフ作品。今回は新キャラではなく勝子姉さんが主人公。今作は球場ネタ中心で私好み。大量のグッズ紹介にも (営業的な理由以上に) カープ愛を感じる。
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麻耶雄嵩, 夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)

700ページあまりの分厚い文庫だが一気に読んでしまった。ミステリ作品 (本格ミステリの人からは認められないかもしれないが) なのでネタバレは書かないが、何とも後味の悪い話。衝撃的な結末はあるものの、残された謎も多いあたりは麻耶雄嵩らしい。
comic

泉昌之, 食の軍師 (3)

2巻は半分旅マンガとなり迷走気味であったが、ここに来て原点回帰。やはり力石との絡みがあってのこのマンガ。マンネリとも言える展開が実に良い。
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Kindle Paperwhite (第2世代)

電子書籍は勝ち馬が決まってから買う予定だったが、少し先行してハードウェアを試すために購入。いつでも乗り換えられるように、当面は青空文庫や無償コンテンツ、読み捨てられる本を中心に楽しむ予定。初めて触った印象は "軽い" 。長時間の読書も苦にならない電子書籍はやはり専用ハードウェアである必要があると感じる電子ペーパーの読みやすさはかなりのもの。特に長時間読んだ後の疲労は液晶と大きな差がある読書中に割り込みが入らないというのは大きな利点。原理的には機内モードにしたスマートフォンでも...
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浅田次郎(著), 久保吉輝(写真), カッシーノ!

浅田次郎が世界のカジノを旅する "カッシーノ!" の企画。第一弾はヨーロッパ編。カジノゲームの勝ち方などが学べる本ではないが、カジノでの振る舞いや痩せ我慢、ギャンブラーの心意気、著者の人生観は嫌というほど伝わってくる。久保吉輝による写真を眺めているだけでも楽しい。
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小林伸一郎, 廃墟遊戯 Handy Edition

廃墟をテーマとした写真集。廃工場や廃坑が中心で、"工場萌え" にも通じる美がある。は1998年の刊行で、廃墟本としては比較的初期の部類。収録写真も1980年台後半から1990年台中盤頃のものが多い。