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いけだたかし, 34歳無職さん (2)

前巻の延長の日常マンガのつもりで読み始めたら、意外な背景が続々と。とはいえ大筋ではやはり何事もない日々が中心なので、安心してゆるりと楽しめる。
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野口悠紀雄, 経済危機のルーツ モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか

1970年代以降の世界経済史。まさにその時代を生きてきた著者の生の感覚や体験談が興味深い。歴史の延長として見た未来に向け日本がなすべきこととして、衰退産業への支援の中止、資本や人的資源のグローバリゼーション、専門教育への投資が挙げられている。いずれも目新しい提言ではないが、歴史を振り返ればそれらがまさに正論であることがよく分かる。
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長野慶太, 英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!

非常に実用的な英語テクニック本。著者が苦労して身につけたであろう有用な技術が惜しげもなく公開されている。ゆっくり話すことを推奨する理由は、自身の思考速度に合わせて話すため。単にゆっくり話すだけでは会話に置いていかれてしまうのだが、きちんとフックをかけて自分の話す機会を確保するための技術も併せて教えてくれるなど至れり尽くせり。
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ジョージ・S・クレイソン(著), 楡井浩一(訳), バビロンの大金持ち The Richest Man in Babylon

メソポタミアの古代都市バビロンを舞台にした寓話集。あくまでも寓話形式の成功本であり歴史書ではないので、時代考証は色々と怪しい。成功本としてのメッセージは非常にシンプルで、勤労、倹約、貯蓄、利殖、慎重。寓話として見ると出来は良く、さらりと読める一冊。
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岩堀修明, 図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ水中から陸上へ

久しぶりのブルーバックスは感覚器に着目した進化論。生物が海中から陸上へと移動する際に感覚器がどのように適応していったか、また地上から海中へと戻っていったクジラがどのように再適応を果たしたのかを豊富な図版で解説してくれる。こうして歴史を見てみると、行き当たりばったりを繰り返す進化にも関わらず、見事な適応を果たしているのには神秘を感じずにはいられない。
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黒川芳朱, パクリ学入門 ウェブ時代の創造力を鍛える36冊のブックガイド

パクリ (模倣) を軸に据えた書評集だが、寄せ集めた書評に対して無理にテーマを後付けした感が否めない。個別の書評も特筆すべき点はないが、いくつか興味深い本に出会えたのだけは救い。
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佐谷恭, ぱくぱく! パクチー

みんなで作るパクチー料理の前作にあたる本。レシピ本として見るとよくある料理にパクチーを加えただけの様なものが多く今ひとつではあるが、本来はパクチー布教本として読むべき本。溢れんばかりのパクチー愛にこちらも楽しくなる。
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大槻ケンヂ, サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

大槻ケンヂの自伝的なもの。これを読んでサブカルで食えるようになるかというと疑わしいが、エッセイとしてみれば良質。新書一冊で出た結論が、サブカルで食うのに必要なのは実家と月15万という身も蓋もない内容。素晴らしい。
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木暮太一, 僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?

マルクスの資本論をベースに、"自己内利益" を最大化する働き方を提案する。言われるまでもなく無意識にこういった働き方を選択している人も多そうではあるが、現在の働き方に疑問を感じている人は一読する価値があるかもしれない。
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小谷太郎, サイエンスジョーク 笑えたあなたは理系脳

"サイエンス" ジョークという表題が付いているが、実態は "物理学" ジョーク集。肝心のジョークが質・量共に不足しているのが残念ではあるが、解説は意外とまとも。