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マネー・ヘッタ・チャン, マッチポンプ売りの少女 童話が教える本当に怖いお金のこと

ヘッテルとフエーテルの続編的内容。今回もどこかで聞いたような話が多く、あまり新味はない。前作ほど無理に童話仕立てにする必要も無いように感じる (マーケティング的には必要なのだろうけど) 。前作と変わらずさらりと読めてしまう点は良い。
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譚ろ美, 中華料理四千年

中華料理エッセイ集。とはいえ、歴史も含めて背景知識のきちんとしている著者なので、単にこんなものを食べましたで終わらずにその料理の歴史背景まできちんと踏み込んでくれる。肝心の料理の描写も、きちんと料理への愛が感じられるもの。トリビア的な知識も満載で、読み物としても面白い。ところどころ日本語が固いのはご愛敬。
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ダニエル・ジロディ(著), アンリ・ブイレ(著), 松岡智子(訳), 美術館とは何か ミュージアム&ミュゼオロジー

ミュゼオロジーの入門書であるが、事前知識なしで読める構成なので、素人でも楽しめる。美術館や博物館はただの見世物小屋ではなく、それらを中心とした街作りまで踏み込んで考えるべきものであることを認識させられる。美術館の中の空間作りにも詳しく、どのような意図で展示されているかを考えるための助けになる内容。また、図版の質も高く、眺めているだけでも楽しい一冊。
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池上彰, 知らないと恥をかく世界の大問題

池上彰の著作を読むのは初めて。新書一冊で世界経済から各地の軍事問題、資源争いに年金問題までを扱っているので、当然内容は薄め。2009年の出版ということもあって民主党推しであるが、その点を除けばトンデモ度は低め。
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野口悠紀雄(監修), 「超」整理手帳 スタンダード2013

今年も変わらず「超」整理手帳。手帳ホルダの材質は2012と同じで、やや青みがかった黒。カラーバリエーションは無し2012では独立して挟み込まれていたカンガルーホルダが、手帳ホルダと一体型にスケジュールシートのデザインも少し変更され、フォントは控えめ、色も淡め。また右端の塗り潰しが復活した毎年すぐ切れるペンホルダの材質は、今年も変化ない様に見えるゼブラルーラーに代わり、少し固めの定規兼分度器が付くようになった。ゼブラルーラーと異なり、ラフに扱っていると割れそうな材質ではある今年...
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KAPPA, 東大卒医師が教える科学的「株」投資術

"EBI (Evidence-Based Investment) のすすめ" の管理人として名を上げた (現在は閉鎖され、blogサイトの "豊かで、健康で、活動的な、人生を目指して:春山昇華" に移行している) KAPPA氏の著作。高尚な理論は横に置き、儲かる投資方法とは何かだけを追求する姿勢が心地良い。内容はアクティブ投資寄りで、効率的市場仮説の前提となっている合理的な投資家が現実と乖離していることを検証し、そこで裁定取引を狙うスタイル。タイトルに "科学的" と入ってい...
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河合幹雄, 終身刑の死角

死刑について論じる本は多いが、こちらは仮釈放なしの終身刑がテーマ。超党派の議員連盟である "量刑制度を考える超党派の会" が仮釈放なしの終身刑を主張しているが、多分に感情的な主張であり、法学的にも刑務所の実運用的にも多くの難題を抱えていることがわかる。特に、仮釈放なしの終身刑となった受刑者はもはや怖いものがなくなるため刑務所内の統制がとれなくなる危険性は指摘されるまで気づきにくいところ。単に法学的な点から論じるだけでなく、刑務所内での処遇や他の制度との兼ね合い、受刑者の更生、...
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Magic: The Gathering – Duels of the Planeswalkers 2013 Expansion

Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013の拡張セット。Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013 Expansion。追加デッキはReturn to Ravnica/RTRのプロモーションも兼ねたと思われる5種まだプレイ時間が短く断言できないが、比較的強そうなのは、The Azorius SenateのAura Servants (白青オーラ)...
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佐藤義典, 新人OL、つぶれかけの会社をまかされる

ライトノベル仕立てのマーケティング入門書。いくらライトノベルとはいえストーリーはご都合主義が過ぎる気もするが、肝心のマーケティング部分はそれほどトンデモでもなくマトモな内容。数十分で気軽に読める本としては悪くない。
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毛利衛, 日本人のための科学論

現在は日本科学未来館館長を務める毛利衛による科学論。なぜ日本で科学技術が発展したのかにはじまり、科学者がどうあるべきかまで、宇宙飛行士と言うよりも科学者としての熱い思いを感じる事ができる。ポジショントーク的な部分もあるがご愛嬌の範囲。