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津田岳宏, 賭けマージャンはいくらから捕まるのか? 賭博罪から見えてくる法の考え方と問題点

麻雀ファンなら一度は疑問に思ったことのあるお題を現役の弁護士が追いかける。もちろん、刑法の条文解釈と判例の調査が基本になるのだが、それにとどまらずに雀荘関係者への取材を通じてボーダーラインを探ろうとする姿勢は素晴らしい。ただし、それで得られた結論が、都内のピンやテンゴのフリー雀荘は逮捕の可能性は殆ど無いが運が悪いと逮捕されることもある (逮捕実例あり) 、という曖昧なものであるのはやはり残念に思う。後半はそこからさらに飛躍して、刑法の賭博罪のあり方について。そもそもの賭博罪成...
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生島淳, 箱根駅伝

箱根駅伝に対する各大学の取り組みや監督の考えなどの取材をまとめたもの。オーダーの組み方や選手の育成など、監督の考え方が透けて見えるインタビューは興味深い。話は箱根駅伝が日本の陸上競技界に与える影響にまで及ぶが、こちらは肝心の日本陸連や関東学連の考えが取材できておらず片手落ちか。
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石田敦子, 球場ラヴァーズ 私が野球に行く理由 (5)

シーズンオフに入りネタが減ってきたせいか、ラブコメ要素が強くなってきた。それでもさり気なくドラフトネタを入れてくるあたりはさすが。
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茅原裕二, 佐藤さんはなぜいっぱいいるのか? 身近な疑問から解き明かす「商標」入門

弁理士による商標の話。原則論などの固い話ではなく実例から入るタイプなので読みやすい。取り上げられている実例もスターバックスとエクセルシオール、餃子の王将と大阪王将、ラーメンの大勝軒や家系など読み物としても面白いものばかりの上、一般のニュースではあまり取り上げられない商標という切り口で見ると新たな発見が多い。お勧め。
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石田敦子, 球場ラヴァーズ 私が野球に行く理由 (4)

ヤングキングアワーズに移籍して初の単行本。交流戦やオールスターを挟んだこともあり、訪れる球場の幅が広がってきた。やはり行きつけの球場が登場するとつい笑みがこぼれてしまう。
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小松正之, これから食えなくなる魚

元水産庁官僚による水産資源の本。少々煽ったような表題だが、内容は意外と固めで、データの裏付けもしっかりしている。日本の漁業の実態を良く知っている著者だけに端々に厳しい指摘が見られるが、頷けるものが多い。
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上杉隆, ジャーナリズム崩壊

記者クラブを中心とした日本のマスコミ批判。テーマがテーマだけに少々愚痴っぽいのは仕方のない所。ジャーナリズム論としてみると、自身が所属していたニューヨーク・タイムズや諸外国のやり方に合わせろというばかりで、その良し悪しの議論を端折っているのは少し不親切。また、なぜその問題だらけの記者クラブの構造が今まで残っているのかや、それを再構築するにはどうするべきかの議論も足りない。
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水野敬也, 夢をかなえるゾウ

少し毛色の違う成功本。独自の成功法則というよりは各種の成功本を正しく活用する方法を主題に据えているので、メタ成功本とでも言うべきか。読みやすい小説仕立てなのも嬉しいところ。
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死に至る薬と毒の怖さを考える会, 図解中毒マニュアル 麻薬からサリン、ニコチンまで

いわゆる麻薬類から毒物までの解説書。もちろん本格的な専門書などではなくアングラ風味。実際には解説部はわずかで、残りは麻薬利用経験者の事例や歴史上の毒殺例などで水増しされている。あくまで読み物。
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原尻淳一, 小山龍介, IDEA HACKS! 今日スグ役立つ仕事のコツと習慣

仕事を上手く進めるためのtips。あまり著者の独自性は感じられずどこかで聞いたことがあるものが多い。独立した89個のアイデアが並んでいる形で、各項も短く読みやすいので、雑誌的な感覚でパラパラとめくってみる分には悪くない。