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小野俊哉, プロ野球解説者の嘘

流行のセイバーメトリクス系の本だが質は低い。基礎的な統計データの取り扱いが出来ていない。 全体を通じて、統計的仮説検定に必要な対照群が設定されない議論がほとんどのため、都合のよい数値だけを抜き出している印象が拭えない。例えば第一章では1, 2番の出塁と3~5番の安打が勝敗に同程度の影響を与える主張しているが、1, 2番の安打や3~5番の出塁、6番以降の打撃成績にどの程度の影響があるのか語られることはない。第五章では過去の四割打者や高打率打者は打数が多い試合での打率が高いと主張...
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久住昌之(原作), 水沢悦子(漫画), 花のズボラ飯 (2)

2巻になって登場人物も増え、ドラマが厚みを増してきた。その分、ズボラ飯というテーマがどこかへ行ってしまったような気がしないでもない。
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シバキヨ, 明日、夫が逮捕されちゃう!?

さすがにこの表題は羊頭狗肉が過ぎるのではないかと思える。 行政書士と弁護士の縄張り争いという非常に興味深いテーマを扱っているにも関わらず、表面しか触れられていないのが残念。
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船山信次, 〈麻薬〉のすべて

あまりアングラでもなく堅過ぎる専門書でもない麻薬の解説本は貴重。基礎の部分からきちんと解説されているので、予備知識無しでも読み進められる。 最近は一部で大麻容認の動きなどもあり、自身の考えも何となく容認に傾いていたが、事はそれほど単純ではないことがよく分かる。
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小関順二(監修), プロ野球スカウティングレポート2012

以前より写真提供を巡って一部球団と揉めていた様だが、今年度版からついに選手の顔写真は一切無くなった。本書側の言い分によると、選手の批判を堂々と書いていたのがその原因らしいが、球団側の言い分を聞いていないのでそのまま鵜呑みにして良いかはわからない。ともあれ、ある意味自由になった今年度版でもきちんと批判するべきところは批判しているが、いつも通り選手への愛が感じられる記述でブレていない。 データ提供は昨年度までのBISからデータスタジアムに変更となった。そのおかげで、投手は球腫別割...
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荒川弘, 百姓貴族 (2)

ようやく2巻が出た。隔月刊誌で8ページ連載なので、単行本が出るのが遅い。 相変わらず安定して面白いが、自身の過去の体験を描くタイプのエッセイマンガなのでややネタの枯渇が近づいている印象。所々、企画ネタが混ざり始めたのもむべなるかな。
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福田秀人, サラリーマンが“やってはいけない”90のリスト

よくある組織論やサラリーマン論を現実的な視点から真っ向否定する良書。その種の本を読んでいても理想論過ぎて今ひとつ府に落ちなかった、という人にはぜひ読んで欲しい。 ポイントを絞ってあり読みやすいが、誤字脱字が目立つのがやや難。
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佐藤大輔(原作), 伊藤悠(漫画), 皇国の守護者 (3) (4) (5)

盛り上がってきてこれからというところでまさかの完結。唐突な終わり方から打ち切りかと思われるが、これだけの作品を途中打ち切りとするのは理解に苦しむ。
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ポール・ディクソン(著), 水戸重之(監訳), メジャーリーグの書かれざるルール

メジャーリーグを語るときによくしたり顔で語られるunwritten rulesをまとめた本。あまり体系的にまとめた本が無い分野なので貴重。 後半は "野球に関する格言・教訓" でやや水増し気味なのが残念。
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荒川弘, 銀の匙 Silver Spoon (2)

2巻でようやく物語が動き始めた。青春ストーリーと農業ネタが良いバランス。