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赤城毅, 書物迷宮

書物狩人の続編。 相変わらず少し説明的すぎるきらいがあるが、歴史的事実と虚構の微妙なバランスはお見事。
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井原万見子, すごい本屋!

和歌山県の山奥にある小さな本屋、イハラ・ハートショップの物語。 店長の井原さんが村の子供達に本の楽しさを知ってもらうために、様々な困難に負けずに次々とイベントを企画していく様子は見ていて元気付けられる。 ただ、そういったイベントの話題が中心で、肝心の本屋の日常があまり伝わってこないところは少し残念。
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浜野喬士, エコ・テロリズム 過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ

日本ではただの過激派団体としてしか報道されない過激な環境保護・動物愛護団体を読み解いた本。 グリーンピース、シー・シェパード、アース・ファースト! といった主要な団体の生い立ちに始まり、その思想史的背景までをも明らかにしてくれる。それらのラディカルな運動の内在論理は単にそれらに閉じたものではなく、米国の根底に流れる市民不服従の思想まで辿ることができるという事実は、米国の考え方を知る上でも役に立つだろう。
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竹内薫, へんな数式美術館 世界を表すミョーな数式の数々

そのタイトル通り、珍しい数式を鑑賞して楽しもうという本。 企画は面白いが、数式には背景がわからないと全く理解できないものも多く、わずかな解説だけでは十分に楽しめないところがあるのが残念。
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ポーポー・ポロダクション, デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか?

デザインの入門書なのだが、科学的な裏付けをしようと試みている点で、よくあるどこかのデザイナーが雰囲気だけで色のイメージを語るような本とは一線を画している。 序盤には人間の色覚や認知の仕組みが一通り。後半のデザインとイメージの関係の調査においては、デザインの物理特性と言語イメージの関係が定量的に評価されているのが特徴的。 何となくデザインには興味があるが、叙情的な文章ばかりのデザイン本を読むのはちょっと、という方にはおすすめできる。
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米本和広, カルトの子 心を盗まれた家族

カルトの二世達を追ったドキュメンタリー。ここで取り上げられるのは、オウム真理教、エホバの証人、統一教会、幸福会ヤマギシ会の4例。 事例集としては非常に興味深いが、意識してかせずか基本的にアンチ・カルト側からの視点のみなのが少し残念。カルト側の取材が難しいのは理解できるが、向こうの言い分との対比にもう少し踏み込んで欲しかった。
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安藤健二, 封印作品の謎2

封印作品の謎の続編。 前作は差別表現により封印されている作品が主だったが、今回はそもそもなぜ封印されているかがわからない作品達を扱う。対象となるのは、キャンディ・キャンディ、ジャングル黒べえ、オバケのQ太郎、サンダーマスクの4本。封印されている原因が、主に著作権がらみのビジネス上のもめ事や関係者間の対立であるのを見ると何ともやりきれない気持ちになってくる。 前作同様、真相にたどり着けない残念な部分はあるが、それを除けば良い出来。
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SPA! 6月9日号 (創刊21周年記念号)

久しぶりにSPA!を買う。 もちろんお目当てはこれ。
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片桐頼継, レオナルド・ダ・ヴィンチという神話

"万能の天才" として語られ、もはや神話化された様な扱いをされることもあるレオナルド・ダ・ヴィンチの実体を追った本。 レオナルドが非凡なクリエイターであったことは間違いないものの、科学・工学への貢献や先見性については多くの疑問が残るのも事実だろう。
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べつやくれい, ひとみしり道

デイリーポータルZでおなじみのべつやくさんの単行本。 あのままのユルい内容がまるまる一冊分つづくので、お好きな方はぜひ。