review

comic

とり・みき, 唐沢なをき, とりから往復書簡(1)

このお二人のファンならば迷わず買い。 二人の微妙な師弟関係のバランスが実にいい。
book

富澤豊, ロングセラーを生み出す カスタマイズの法則

とみざわのマーケティングノートで有名な富澤先生の著作。 ユーザによるカスタマイズの有無という観点での商品比較は新鮮。たとえば、袋麺とカップ麺、カレールウとレトルトカレー、ハーレーダビットソンとスーパーカブなど。 マーケティング出身の人なので、理論的な裏付けはあまり厳密ではなく所々に飛躍があったりするが (さすがに、iPodとウォークマンの明暗を分けた理由をカスタマイズの有無に求めるのは無理があると思う) 、サクサク読めてわかった気にさせてくれるのはさすが。
comic

とり・みき, 冷食捜査官(1)

今まで断片的には読んでいたのだけど、この度まとまった形で読むことができて非常に嬉しい。 SFハードボイルドとナンセンスギャグのバランスはやっぱり見事の一言。
comic

土山しげる, 極道めし

3巻までまとめ読み。 刑務所の囚人たちが年に一度の楽しみであるおせち料理をかけて旨いものの話をする、というその設定だけでもう勝ちは決まったようなもの。 どれもこれも庶民的な料理なのだが、このシチュエーションと土山先生の絵で迫られるともうたまらない。おすすめ。
book

池田信夫, ハイエク 知識社会の自由主義

ハイエクの入門書。専門外の人間がいきなりハイエク全集を読むのはかなり厳しいのでありがたい。 今まではハイエクを行き過ぎた自由主義者であるいわゆるリバタリアンだという理解しかなかったが、それが生まれた時代背景と、その背後にある自由主義的な考えと保守主義的な考えとの双方がはじめて繋がった。 後半は池田信夫blogでも度々取り上げられている知的財産権や電波割当の問題に繋がる。このblogを読む人ならば本書も読んでおいた方が良いだろう。
book

辻原康夫, 食の歴史を世界地図から読む方法 イラスト図解版 料理や食材の意外なルーツがわかる

今では当たり前となっている古今東西の食文化が、どこから来たのかルーツを探る雑学本。 タイトルの通り、世界地図ベースで食文化の分布や伝播が説明されるので、内容を俯瞰的につかみやすく非常にわかりやすい。
book

Garr Reynolds, PresentationZen: Simple Ideas on Presentation Design and Delivery

Presentation Zenの中の人による著作。タイトルでわかる通り、著者は日本文化にも造形が深く、所々に日本の心が取り上げられていて少し嬉しくなる。 プレゼン資料の作り方を手取り足取りというタイプの本ではなく、もう少しメタな話。かといって、精神論だけの読むのが辛いタイプの本ではなく、本書自体が高いレベルのプレゼンでもあるため、主張がすんなりと頭の中に入ってくる。 私は比較的プレゼンをする機会が多い職種なのだが、今までいかにダメなプレゼンをしてきたかに気づき少しヘコむ。最...
book

イアン・エアーズ, 山形浩生, その数学が戦略を決める

データマイニングを元にした "絶対計算" が現在どのように使われているのかという事例が多数。ワインの値段の予測に始まり、野球選手の評価、病気の診断、教育手法毎の効果測定、映画のヒット予測、などなど。多くの分野で専門家を凌ぐ絶対計算が可能であることが次々と示されるのは実に爽快。 しかしながら、これらを実際に活用するには大きな壁があることも事実だろう。本書中の以下の文章がそれを端的に表している。 人々は自分の専門領域以外でなら絶対計算利用に抵抗がない また、すでにあるデータの分析...
book

朝時間.jp, みんなの朝ごはん

朝時間.jpの朝ごはん情報をまとめたもの。 レシピも、読者からの投稿も、世界の朝ごはんも中途半端なまとめ方だけど、一つくらいは自分の朝ごはんに生かせる工夫が見つかるかも。
book

タイ・トレッドウェル(著), ミッシェル・バーノン(著), 宇佐和通(訳), 死刑囚 最後の晩餐

アメリカには死刑前の最後の食事を囚人がリクエストできるという制度がある。 そこでリクエストされた食事の実例、という非常に興味深いネタなのだが、あまり生かせていないのが残念。多数の囚人の最後の晩餐とその犯罪歴が淡々と並べられるだけで、その食事をリクエストするに至る思考などはほとんど触れられていない。