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山田寛英, 不動産投資にだまされるな 「テクニック」から「本質」の時代へ

不動産を専門に扱う会計士が、最近のサラリーマン大家さんブームに警鐘を鳴らす。よく "不動産投資" と言われるが、その実態は不動産賃貸業の起業。商売である以上、完璧な必勝法などなく、法律や制度、社会の変化に敏感な人でないと勝ち目はない。不動産事業は立ち上げの最初期がもっとも苦労するが、代々の不動産オーナーはすでに軌道に乗っており、全く異なる存在。そういった人々はまた当たり前のように王道的な知恵や工夫をも受け継いでいたりする。不動産事業を始めるということは、その新規参入者にはとこ...
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諸富徹, 私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史

税金の成り立ちを追ってみると、租税の仕組みそのものが国家であることがわかる。著者はまずホッブズとロックの租税論に立ち返る。彼らが租税を国家が市民に提供する便益への対価と定義したことが、国家を形づくったと言える。すなわち、王権神授説から社会契約論にもとづく国家論への転換である。イギリス社会では納税を権利とみなす自発的納税倫理が定着していたのも、この影響が大きい。一方、無数の領邦国家に分裂していた後進国ドイツでは、イギリスやフランスといった先進国家に対抗して経済的基盤を整えて発展...
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マイケル・ルイス(著), 渡会圭子(訳), 東江一紀(訳), 阿部重夫(解説), フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

しばらく野球に浮気していたマイケル・ルイスが金融に戻ってきた。今度のテーマはナノ秒の世界で先回りして注文をかすめ取る超高速取引。忽然と消えてしまう注文の謎を追うブラッド・カツヤマや関連する技術者の視点からのストーリーは良質のミステリのよう。理解には欠かせないダークプールの仕組みの解説もしっかりしており、この分野の入門書としてもおすすめできる。
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おかず甲子園 令和名勝負

おかず甲子園 令和名勝負をプレイ。一見バカゲー的な外観ながら、中身は意外と硬派。課金圧は低め。とにかく周回を回す前提の作りなので、まずは最適化にこだわらずに回数をこなすのに注力するのが良さそう。
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橘玲, 上級国民/下級国民

先進国で進んでいる上級国民/下級国民への階層分断についての考察。前半は主に日本社会で下級国民が生み出された背景を探り、仕事が嫌いで会社を憎みながら長時間労働をしそれでも生産性が低い日本のサラリーマンにその原因を求める。この理由を更に追い求めると、団塊の世代の雇用を守り続けたことに行き着く。その影で割りを食ったのは若い男性だ。そして令和は団塊の世代の年金を守り続ける時代になると予想する。後半では世界レベルでの上級国民/下級国民への階層分断がなぜ起こっているかにも触れ、個人の自由...
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辻田真佐憲, たのしいプロパガンダ

プロパガンダの中でも、音楽や映画といった娯楽による "たのしいプロパガンダ" を紹介した本。表紙もロトチェンコのパロディ。大日本帝国、ソ連、ナチ、北朝鮮、韓国、オウム真理教、イスラム国、現代日本と、さまざまな時代と地域の "たのしいプロパガンダ" を取り上げている。所変われどその本質は変わらず、人気芸能人や芸術家までをもフル活用してプロパガンダに励んでいた様子が見て取れる。また、現代の事例も取り上げられており、ロシアやウクライナのSNSを活用したプロパガンダや米国のディーバー...
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先崎学, うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

著名人がここまで赤裸々に語った闘病記は貴重。うつ病患者にとって何が嬉しかったかという記録は、同様の患者に接する際にも大いに参考になる。みんな待ってますという一言のように、存在価値を確認できるような言葉が大事なのだと思う。逆に、暗い人間を元気づけようと明るいことをはなすのは避けなければいけない。幸いにして著者は1年程度で復帰しているが、これには精神科医である実兄のおかげによる最高に近い治療環境があったことは留意するべき。
game

Reigns

カードゲーム風のインタフェースから繰り返し遊べるローグライクゲームを想像していたが、意外にシナリオがしっかりしたゲームだった。とはいえ一本道ではなく、選択肢による分岐が多数あるので飽きさせない。
comic

とりのささみ。, テイコウペンギン

可愛い絵柄と皮肉の効いたパンチラインのアンバランスが素晴らしい一コマ漫画。さり気なく鉄道定期券のイメージキャラにケンカを売っているのも良い。
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永井孝尚, なんで、その価格で売れちゃうの? 行動経済学でわかる「値づけの科学」

流行りの行動経済学で値付けを読み解こうという本。紹介されている値付けの技術は、行動経済学を持ち出すまでもない古典的なものも多い。それでもPSM分析などの値付けのための基本的なツールは一通り押さえられており、入門書としては良い出来。