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岩村充, 貨幣進化論 「成長なき時代」の通貨システム

寓話を用いて貨幣の成り立ちを説明した後、金本位制からニクソン・ショックを経て現代に至るまでの貨幣の流れを駆け足で。貨幣の歴史を大掴みするには良書。
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清水潔, 桶川ストーカー殺人事件 遺言

フォーカス誌上で桶川ストーカー殺人事件の犯人グループを特定して名を挙げた清水潔によるルポタージュ。事件そのもの以上に、警察批判に力を入れている印象。事細かに書かれた週刊誌記者の取材行動も興味深い。
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乙一, ZOO (1)

乙一の短編集。元は一冊の単行本だったものが文庫2冊に。化された5作品がこちらの1巻に収録されている。ジャンルは様々だが、ホラー寄りのものが多いか。"SO-far そ・ふぁー" はプロットもオチも秀逸でおすすめ。
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ASIOS, 謎解き超科学

いわゆる疑似科学の解説本。あまり目新しいネタはなく、この分野に興味のある人ならば既知のものが多いだろう。それでも、何となく胡散臭いとして切り捨てるのではなく、きちんと科学的な裏付けをもって判断しようという姿勢は好感が持てる。
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池谷敏郎, ここ10年で、これだけ変わった! 最新医学常識99

研究が進むにつれて時々更新される医学の常識を知るための本。小ネタが99個の○×クイズ形式。直接健康に役に立つネタが少なめだが、蘊蓄本としては上々。
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藤岡利充, 泡沫候補 彼らはなぜ立候補するのか

2014年に毎日映画コンクールのドキュメンタリー映画賞を受賞した映画、立候補の舞台裏を綴ったもの。映画を観ていなくても楽しめる。扱っているのは、マック赤坂、羽柴誠三秀吉、外山恒一といった、ネットでも有名な画になる面々が中心。泡沫候補一般のルポタージュを期待して読むと肩すかしを食らうかもしれない。
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首藤由之, 「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー習慣

生涯賃金と可処分所得を可視化した上でお金を考えようという姿勢はわかりやすく、この種のマネー本の一冊目としてお勧めできる。トンデモ度も低い。内容的にはあまりオリジナリティはなく、どこかで聞いたことがあるネタが多い。他のマネー本をある程度読んでいる人ならば改めて読む必要はない。
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深谷陽, スパイシー・カフェガール

スパイスビームの前作にあたる作品。この頃に既に骨格は完成しており、異常にウマそうな食事と先を読ませない展開が高いレベルで融合している。
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長谷川晶一, プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! 涙と笑いの球界興亡クロニクル

表題どおり、全球団のファンクラブの比較を行った企画。一見するとただ一発ネタなのだが、贔屓球団のファンクラブのみに入会している一般のファンにとって他球団のファンクラブは完全に盲点であった。球団広報への取材などではなく、一ファンとして地道に10年間入会し続けた情報をまとめたのも良い。10年分の変化をまとめて読むと、各球団の思惑やファンに対する姿勢が透けて見える様で実に興味深い。
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tugeneko, 彼とカレット。

パワプロくんのアレなどで有名だったtugenekoの単行本。当時からある意味ワンパターンな笑いなのだけれど、ここまで続けられるともはや様式美とも感じられる。