business

book

小池和男, 日本産業社会の「神話」 経済自虐史観をただす

日本は集団主義の国、日本人は会社人間、長時間労働が競争力を強化、成長は政府のお陰、といった当然の前提のように思われている事項への反論。虚心にデータを眺めることで、新たな事実が見えてくる。 特に興味深いのは、企業内の査定方法の日米比較。日本は独自の慣行から海外に例を見ない年功賃金を生み出したという説が唱えられることがあるが、関連研究を丹念に追っていくと、事はそう単純ではないことが見えてくる。
book

住中光夫, Excelでマスターする ビジネスデータ分析 実践の極意

ピボットテーブルの入門書。RDBを持ち出すまでもない小規模な分析のために勉強することにした。 主に営業データの分析を対象にしているが、おおまかな利用方法を学ぶには十分。 ツールの使い方だけではなく、実践的なデータ分析の流れも解説されているので、今までデータ分析などに携わったことがない人にもおすすめできる。
book

若井吉樹, 世界一わかりやすいコスト削減の授業

世界一わかりやすい在庫削減の授業の姉妹品。 こちらも非常に初歩的な内容。一応ストーリー仕立てになっているものの、筋はあってないようなものでさらりと読める。
book

田村亮, 28歳で政治家になる方法 学歴・職歴・資格一切不要! 25歳以上なら誰でもなれる!

市議会議員を就職先の一つとして捉えた指南本。着眼点は面白いが、経験則中心で客観的なデータがほとんどないのが残念。 著者は選挙用品ドットコムの代表でもあるので、そのバイアスがかかっている点には注意。ネットだけの選挙活動を酷評しているのもそのあたりに理由があるのかもしれない。
book

向井蘭, 社長は労働法をこう使え!

労働者側ではなく使用者側の視点での労働法解説。立ち位置としては労務管理における労働法上のグレーゾーンとその対応に近いか。 参考文献が示されておらず情報源が不明な部分が多いため、どこまで鵜呑みにして良いかはよく分からない。また、一部の例外的な問題労働者を一般化している様に見える箇所も散見される。 これらの欠点を除けば案外穏当な内容。使用者寄りと言いながらも、 解雇権と比べて人事異動等の権利が強すぎる点や、過去の判例を重視せざるを得ない裁判システムの問題も指摘している。
book

金田善裕, ネット副業の達人 20人の成功例から学ぶ確実に稼ぐコツ!

タイトル通り、ネットを利用した副業の成功例を集めたもの。失敗例はなし。 20人のインタビューと成功体験をそのまま掲載しているだけで、共通項を見出そうといった試みなどは特にない。校正が甘く、誤字が目立つのがやや難。
book

T. ギルブ(著), G.M.ワインバーグ(著), 木村泉(訳), 米沢明憲(訳), 計算機入力の人間学 打鍵入力信頼性技法

主にキーパンチャによるデータ入力の信頼性向上に関する専門書。泥臭い仕事の一つだが、その重要性は揺るぎなく、おそらくこれからも何だかんだと言いながらもなくならないだろう。 原著は1977年に発表されたものであり、パンチカードに関する記述など今ではさすがに古くなっている部分もある。しかしながら、人間の本質に関わる部分は全く古くなっておらず、繰り返しや確認語によるエラー率の低減手法、適応制御を用いた入力検査など、現在でもそのまま使える内容も多い。 単に入力ミスを減らすための小ネタ集...
comic

鈴木みそ, ナナのリテラシー (1)

リテラシーというよりはコンサルタント的なお話。おそらく、"銭" の後継作品という位置付け。 1巻目のテーマは出版。構造的に衰退産業となっている出版業、特にマンガの世界のリアルなお金事情を描いてしまうあたりはさすが鈴木みそ。どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのかを掴ませないところも見事。
book

学研辞典編集部(編), 13か国語でわかる新・ネーミング辞典

日本語から13か国語への辞典。それ以上の大きな工夫があるわけではないので、あくまでもネーミングの補助として字引の手間を省くための本と割り切った方がよさそう。 ジャンル別ではなく50音順に並べているタイプだが、冒頭にジャンル別の索引もあり。単語の選択基準が今ひとつ掴めないが、ある程度商品のネーミングを意識して選択しているように見える。
book

若井吉樹, 世界一わかりやすい在庫削減の授業

在庫管理の入門書。 極めて初歩の初歩の内容だがよくまとまっている。在庫削減の必要性やその効果に始まり、実際の在庫削減の手順までを一歩一歩噛んで含めるように解説してくれるあたりは "世界一わかりやすい" を謳うだけのことはある。文章もこなれており読みやすい。