book 中川基, ニセモノ食品の正体 インジェクションビーフや代用魚など、偽装食品とまでは言わないまでもホンモノとは言い難い様な食品を集めたカタログ本。 解説は中立的で、この種の本にありがちな "添加物=悪" といった短絡的な思考や無意味な自然信仰などはほとんど見られない。ニセモノ食品の長所である破棄の削減やコスト低減と短所である栄養バランス等の問題の双方がきちんと押さえられており、好感が持てる。 2014-02-06 book
book グレッグ・クライツァー(著), 竹迫仁子(訳), デブの帝国 いかにしてアメリカは肥満大国となったのか 装丁は軽めだが内容は硬派。 米国が肥満社会となるまでの過程を、農業行政、ファストフード業界、食品業界、教育界と多くの視点から丹念に追いかけていく。現状に至った要因は単一のものではなく、様々な原因が絡まり合っていることがよく分かる。肥満のリスクに関する記述も十分。 2014-02-05 book
book リチャード・ワイズマン(著), 木村博江(訳), その科学が成功を決める 最新の心理学研究の成果を用いて、自己啓発本でよく語られる言説を検証している。 文献調査もきちんとしており、主観的な記述ばかりの自己啓発本よりははるかに納得感がある。おすすめ。 2014-01-19 book
book 安藤百福発明記念館(編), 転んでもただでは起きるな! 定本・安藤百福 日清食品創業者の安藤百福の伝記と語録をまとめたもの。今季の日清食品の株主優待で配布された。 関係者の編集ということもあり、あまり客観的なドキュメンタリーではなく宣伝色が強いが、その波瀾万丈な生き方は読み物として十分に面白い。 2014-01-06 book
book グローバルタスクフォース, ポーター教授『競争の戦略』入門 難解なを読み解くためのガイドブック。 重要な部分を箇条書きで抜き出したような部分が多いため、読み物というよりは考えをまとめるときのチェック表として使ったほうが良いかもしれない。考える必要がある項目が漏れ無くまとまっているのは安心できる。 2013-12-31 book
book 山口揚平, そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか 表題からはフリーランス生活や生活コスト圧縮のノウハウ本を連想してしまうが、内容はかなり起業寄り。それも "一人でも食べていける" というよりは、やや大きめのビジネスを興すことを想定しているように読める。 本書のメッセージは、いかにしてプロフィットモデルを確立するかということに集約される。課金の仕方、顧客、商品、支払い方法、資源の5つの観点からプロフィットモデルを整理するという切り口は既存のビジネスを分析する上でも役に立つかもしれない。 2013-12-18 book
book 渡辺仁, セブン-イレブンの罠 金曜日の出版なので半信半疑で読み始めたが、意外にもまともな本だった。 セブン-イレブンのフランチャイズ問題、特にロスチャージやオープンアカウント、ドミナントといった悪名高い問題に切り込んだドキュメンタリー。セブン-イレブンの異常なまでの高収益の源泉がどこにあるのかが見えてくる。 全体を通じて読みやすい本だが、似たような話が多くやや冗長に感じる部分がある。これは情報源が限られているせいもあるかもしれない。法的な部分の解説はほぼ北野弘久日本大学名誉教授の受け売りで、多面的な見方が... 2013-12-02 book
book 青木昌彦(編著), 安藤晴彦(編著), モジュール化 新しい産業アーキテクチャの本質 "モジュール化" という単語は聞いたことがあるというレベルで読み始め、その理解の浅さに気付かされた。 モジュール化とは、字面から想像される単に機能ブロックごとに切り分けるだけのものではなく、摺り合わせのコストを下げるとともに競争圧力を高めるものであることがよく分かる。机上の論理だけではなく、自動車産業や半導体露光装置産業、ゲーム産業など様々な産業の実例も豊富に含まれており、この一冊だけでモジュール化の分野を概観できる。おすすめ。 2013-11-24 book
book 水野学, アウトプットのスイッチ 表題にある "アウトプット" は商品のデザインやパッケージだけではなく、その背景にある企業理念なども含んだ広い意味。その広い視点で売れる商品を考えようという試み。 著者自身が携わってきた商品の実例に沿った解説が中心。アウトプットを作り出す様々な手法の紹介もそれらの実例に沿った形で断片的に行われるため、全体像をあまり体系立てて学ぶのには向かないが、手法のヒントを探すのには良い本。 2013-11-06 book
book トーマス・H・ダベンポート(著), ジェーン・G・ハリス(著), ロバート・モリソン(著), 村井章子(訳), 分析力を駆使する企業 発展の五段階 膨大なデータの分析や活用をテーマとしているが、"ビッグデータ" の様なbuzzwordに踊らされることなくきちんと地に足がついている。 本書で一貫して主張されるのは分析力を高め活用するには企業を挙げての取り組みが必要であるという点。成功に必要な要素として挙げられるDELTA (Data, Enterprise, Leadership, Target, Analyst) の実現に向けたステージごとの進め方も非常に参考になる。データ分析に携わる人はもちろん、意思決定にデータを活用... 2013-10-23 book