engineering

diary

大カプコン展

一般当日券2,900円と強気の価格設定だが、それに見合う内容。技術的にはファミコン時代のロストテクノロジーから最新の3Dモデリングまで広くカバーしており飽きない。デザインに興味のある向きには大量の原画、企画に興味のある向きには生の企画書と、ゲームのどの分野の人にも楽しめる。体験系の展示も多いので、ライトユーザにもおすすめできる。
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村越真, なぜ人は地図を回すのか 方向オンチの博物誌

著者は全日本オリエンテーリング選手権チャンピオンの経験もある研究者。方向オンチという身近な問題に、きちんとした学術的な裏付けを持って切り込む。方向感覚は多くの分野を跨ぐ問題であり、認知心理学を中心に、発達心理学、環境心理学、生物学、都市設計など、様々な方向からのアプローチが求められる。本書はそれらを広くカバーした啓蒙書で、地図の読み取りやナビゲーションが存外に複雑な問題であることを教えてくれる。
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岩崎啓眞, 本当にためになるゲームの歴史 1本のゲームが億を生む仕組みのすべて

まずはインカム収入を得るためのアーケードゲームの歴史から始まるが、これがゲームビジネスの基礎とも言え、複雑化した現在のゲームビジネスよりもはるかにわかりやすい。その後、話はオンラインゲームや現代風のF2Pゲームへと広がるが、これらも一貫してビジネスとしての収益構造の視点から解説されている。その時代のゲームがそれらの形に落ち着いたのは、社会背景やネットワークの性能、決済手段といった様々な要因からの必然であったことがよく分かる。
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今尾恵介, 番地の謎

日本の住所の雑学本。日本の住所は番地と住居表示の二重構造になっているが、そのうち番地の方はとにかくわかりにくく、目的地を探す助けにならない。このわかりにくさは地番の成り立ちに起因している。そもそも地番は明治の地租改正の際に課税や不動産登記のために振られた符号であり、地図上で整然としていることを身上としている。これを住所を表すために流用したのだから、道を歩いて移動する人間を想定しておらず、わかりにくくなるのも無理のないことである。本書はこうした番地の成り立ちや、それにより生じた...
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橘玲, テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想

技術の裏付けを得て先鋭化するリバタリアンの物語。テクノ・リバタリアンの思想そのものに加え、それを推し進めるイーロン・マスク、ピーター・ティール、サム・アルトマン、ヴィタリック・ブリテンといった人物を生い立ちから追っているのも興味深い。彼らがたどり着いたユニヴァーサル・ベーシックインカム (USI) や共同所有自己申告税 (COST) といった政策案も押さえられてており最新の事情も掴める。
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真崎庸, ご飯の炊き方を変えると人生が変わる

著者は新井薬師前の日本料理店 "柾" の店主。タイトル通りご飯の炊き方の本だが、さすがにそれだけでは分量は少なめで、後半の出汁やおかずの話を除くと小冊子に収まる程度。数多の料理本と異なり、属人性を極力廃して再現性を上げるための工夫がなされているのが工学的で良い。火力は強火と蛍火のみで、微妙なさじ加減となる中火や中強火は使わない。人間が判断しなければならないのは沸騰したか、泡立ちがおさまったかだけで、あとは時間で管理する。余計な工夫をせずに本書に従えば誰でも安定したご飯が炊ける...
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ジェフリー・ケイン(著), 濱野大道(訳), AI監獄ウイグル

様々なディジタル技術を駆使した監視により監獄となったウイグルの告発本。日本語版の表題にAIと入っているのはマーケティング上の理由かと思われる。AIは監視を実現する要素技術の一つに過ぎず、、実際には保甲制度を始めとするアナログな末端の監視制度が担っている役割が大きい。原著のThe perfect police stateのほうが内容をよく表している。衝撃的な内容だが、彼の国のことなのでさもありなんと言ったところ。原著はすでに3年前の出版なので、現在ではさらに自体が悪化しているの...
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クリフォード・A・ピックオーバー(著), 川村秀憲(監訳), 佐藤聡(訳), 人工知能 グラフィックヒストリー

広義の人工知能の歴史を俯瞰できる本。原著が2019年の発行のため、LLMは触れられていないが、ディープラーニング (1965年) は取り上げられている。見開き1トピックの構成で、グラフィックヒストリーの名の通り歴史的な画像やイラストが添えられている。画像も含めて出典が一覧になっているのも嬉しい。
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スーツケースのキャスタ交換

実家から譲り受けた古いスーツケースのキャスタが破損したので交換した。専門業者に出すのも一つの手だが、古いスーツケースにそこまでコストをかけたくないので、自力で交換した。多くのスーツケースはユーザがキャスタを交換することを想定しておらず、手元のスーツケースも例外ではない。車軸が嵌殺しになっているので、まずはそこを金鋸で切断する必要がある。おそらくこれがキャスタ交換で一番大変で時間がかかる作業だろう。隙間に金鋸を差し込み、少しずつ削っていく。特にコツなどもなく黙々と作業するより他...
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ThousanDIY, 「100円ショップ」のガジェットを分解してみる! 安さに隠された秘密を解明!

主にPC関連のガジェットを分解する企画本。分解して終わりではなく、きちんと回路図まで起こしているのが素晴らしい。価格が価格だけにもちろん割り切った仕様はあるのだが、今どきは100円ショップガジェットでも安全性を確保した真っ当な作りになっているのがよく分かる。