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西成活裕, 渋滞学

車、人、蟻、インターネットなど、様々な対象を "渋滞" というキーワードで横断したもの。待ち行列だけでは分からない世界がみられるのは興味深い。また、理論だけではなくASEP (Asymmetric Simple Exclusion Process) などを用いたモデル化にも触れられているので、この分野の研究の第一歩としてもおすすめできる。
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まつもとゆきひろ, まつもとゆきひろ コードの世界 スーパー・プログラマになる14の思考法

まつもとさんらしく話題の中心はRubyなのだけれど、もう少しメタな概念もきちんと説明されているので、他の環境で生活している人にも十分に得るものがあると思う。雑誌連載のものをまとめた本でもあり、各章が短めで独立しているので、合間に少しずつ読めたのも嬉しいところ。
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片桐頼継, レオナルド・ダ・ヴィンチという神話

"万能の天才" として語られ、もはや神話化された様な扱いをされることもあるレオナルド・ダ・ヴィンチの実体を追った本。レオナルドが非凡なクリエイターであったことは間違いないものの、科学・工学への貢献や先見性については多くの疑問が残るのも事実だろう。
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小関智弘, 町工場巡礼の旅

鉄を削るに続いて、小関さんの本をもう一冊。今回は旋盤の世界にとどまらず、大田区の様々な町工場を巡り、職人達の声を拾っている。自分も分野は大きく違えど技術屋の端くれであるので、その思想に共感できる部分は多い。
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小関智弘, 鉄を削る 町工場の技術

51年間に渡り、町工場の旋盤工を勤めてきた著者によって語られる、現場の職人魂。技術をただの定型作業として捉えるのではなくその本質をきちんと理解していることで、持ち込まれる無理難題を解決していったエピソードには素直に拍手を送りたくなる。また、従来の旋盤からNC旋盤への移り変わりによりブラックボックス化が進み、技術の伝達が失われていく様子が印象的。これは切削の世界に限らず、工学の多くの世界で同様のことが起きているように感じる。
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木村英紀, 制御工学の考え方 産業革命は「制御」からはじまった

実は今まで制御工学の勉強をしたことがなかったので、まずはブルーバックスから。工学部生向けの入門書という位置付けの本なので、素人にもわかりやすい。また、比較的目に見えないところで活用されていることが多い制御工学の適用事例も豊富なので、最後まで興味を持って読めた。
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トム・ヴァンダービルト(著), 酒井泰介(訳), となりの車線はなぜスイスイ進むのか? 交通の科学

ちょっとあざとい新書のようなタイトル (原題は "Traffic: Why We Drive the Way We Do (and What It Says About Us)") の交通工学の本。ドライバーの心理に根ざした内容が多く、同じ "トラヒック" でありながらも、自分の専門とする通信トラヒック工学とは全く異なるアプローチが必要となるのが興味深い。
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平林純, 論理的にプレゼンする技術 聴き手の記憶に残る話し方の極意

前著の理系のためのプレゼンのアイディアが比較的良かったのでこちらも読んでみた。本当に基礎中の基礎からの本だが、意外と出来ていないことが多いのに気付かされる良書。にしかわたくのイラストも面白い。
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Scott Berkun(著), 村上雅章(訳), イノベーションの神話

人々がイノベーションというものに対して漠然と抱いているイメージがある。曰く、"イノベーションはひらめきによってもたらされる" 、"優れたアイデアは見つけづらい" 、 "最も優れたアイデアが生き残る" 、等々 ……。本書はそれらのイメージがいかに誤っているかを蕩々と語ってくれる。翻訳も悪くなく、すっきりと読める一冊。
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Bruce Frey(著), 鴨澤眞夫(監修), 西沢直木(訳), Statistics Hacks 統計の基本と世界を測るテクニック

統計学の入門書なのだが、Hacksシリーズらしく、いわゆる教科書的な本よりは読みやすい。また、効果量等の基準値の具体的な数値が (少々乱暴ながら) 挙げられており,何となく感覚が掴みやすくなっているのもうれしい。後半は統計とはやや関係の薄いHackも含まれており、水増し感があるのが残念。