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東海林智, 貧困の現場

貧困に陥っている人々を追いかけたドキュメンタリー。労働者側の視点に偏ってはいるものの、現場を知るための書籍としては優秀。
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有吉弘行, お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則

お金絡みの話を中心に、生き残るための知恵をまとめた本。芸能人本なので語られる貧乏生活などは色々と割り引いて読む必要があると思うが、その中で効率的に生き残るための冷めた考え方はなかなか興味深い。
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沖有人, マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく

はじめにに "(賃貸よりも) 持家のほうが圧倒的に有利である" と勇ましいことが書いてあるが、その根拠は心許ない。中盤に数ページ程度の大雑把な説明と詳細不明なグラフがあるのみで、そこから無理に読み取ると、賃貸の場合でも頭金を一切運用しない持家の場合はレバレッジをかけるキャッシュフローが悪化するリスクは考慮しない資産の流動性も考慮しない購入したマンションに大きなトラブルは起きない賃料が長期に渡って低下しない将来も住宅購入を優遇する税制が変化しないという前提で比較すれば退職する頃...
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高橋洋一, バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

負債だけではなく資産の部分も併せて見ることで、日本政府や特殊法人の実態を精査しようという試み。"バランスシート" と書かれているものの、会計で言うところの正規のバランスシートを扱ったものではないので注意が必要。所々に入っている恨み節が気になるが、読み物としては及第点。最終章の国際政治の話題は本書のスコープから逸脱している様に感じる。
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中村淳彦, デフレ化するセックス

AV女優を始めとしたセックス産業のドキュメンタリー。従来の著作と異なるのは、デフレ下で貧困状態に陥っているケースが多い実態にフォーカスしていること。当事者へのインタビューを元に可処分所得などを推計していくスタイル。インタビューはあまり裏を取らずに発言をそのまま信用しているように見えるので話半分で。
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岩松正記, 個人事業、フリーランス、副業サラリーマンのための 「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。

個人事業主や法人成りを検討している人のための税入門書。著者は "ぶっちゃけ" を売りにしている様だが、それでもやはり工学系の人間から見るとグレーゾーンが広く感じるのは税法の仕方ないところか。
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山口揚平, なぜか日本人が知らなかった新しい株の本

比較的初心者向けの投資本。素朴な個別銘柄投資のファンダメンタルズ系で、インデックスなどは名前すら出てこない潔さ。企業価値や割安度の算出方法にやや独自性が見られるが、その有効性の検証は一切無し。バックテストの結果もない。コンサルタントの書いた本らしく、読みやすさだけは見事。
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ジョージ・S・クレイソン(著), 楡井浩一(訳), バビロンの大金持ち The Richest Man in Babylon

メソポタミアの古代都市バビロンを舞台にした寓話集。あくまでも寓話形式の成功本であり歴史書ではないので、時代考証は色々と怪しい。成功本としてのメッセージは非常にシンプルで、勤労、倹約、貯蓄、利殖、慎重。寓話として見ると出来は良く、さらりと読める一冊。
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大槻ケンヂ, サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法

大槻ケンヂの自伝的なもの。これを読んでサブカルで食えるようになるかというと疑わしいが、エッセイとしてみれば良質。新書一冊で出た結論が、サブカルで食うのに必要なのは実家と月15万という身も蓋もない内容。素晴らしい。
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木暮太一, 僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?

マルクスの資本論をベースに、"自己内利益" を最大化する働き方を提案する。言われるまでもなく無意識にこういった働き方を選択している人も多そうではあるが、現在の働き方に疑問を感じている人は一読する価値があるかもしれない。