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グレゴリー・コクラン(著), ヘンリー・ハーペンディング(著), 古川奈々子(訳), 一万年の進化爆発

人類は文化的・社会的な要因により予想以上の速度で進化していたという説。農耕の開始が高々数百年から数千年というオーダでの自然選択を引き起こしたというのにも驚くが、アシュケナージ系ユダヤ人に至っては迫害などの社会的な理由によりさらに短期間で自然選択が働いたとされる。まだ反論はあるだろうが、さまざまな証拠がこの説を後押ししているように思える。
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安田雪, 「つながり」を突き止めろ 入門! ネットワーク・サイエンス

少し前に流行ったネットワーク・サイエンスの入門書。現在のホット・トピックからは外れた感があるが、重要性が減ったわけではない。本書はそんなネットワーク・サイエンスを活用した人間関係研究を紹介してくれる。研究対象が電子メールやmixiだったりネットワークの規模が小さかったりとやや時代を感じるところはあるが、その裏にある人間関係ネットワークの本質的な部分は今でも変わっていない。メールログ分析と通信の秘密の関係や友人関係の定義の難しさなど、研究の現場ならではの話題も多く楽しめる。
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リチャード・セイラー(著), キャス・サンスティーン(著), 遠藤真美(訳), 実践 行動経済学

表題はかなり意訳。内容は原題の通りほぼナッジ (nudge) の話だが、リチャード・セイラーの著作のためマーケティング上の理由で行動経済学と入れているものと思われる。ナッジを社会で活用する方法として、リバタリアン・パターナリズムを提唱している。これは、インセンティブとナッジを適切に配置することでヒューマン (現実の人間を理想的な経済人であるエコノと区別してこう呼んでいる) の生活を向上させようという思想であり、広い意味ではパターナリズムに含まれる。しかしながら、これはあくまで...
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雨宮純, あなたを陰謀論者にする言葉

さまざまな陰謀論やオカルトを取り上げるだけではなく、それらが相互に与えた影響を分析してるのが新しい。通底するニューエイジやスピリチュアルを軸に据えて整理すると、怪しげな自己啓発やマルチ商法の位置づけもはっきりしてくる。
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有田正規(著), 科学の困ったウラ事情

学術出版の来た道から遡ってもう一冊。現代の研究者の実態、学術論文制度の限界、不正が起きる原因など、みんなが思っているがなかなか言えないことをズバリと書いてくれた。著者は生命情報科学の研究者だが、自分の関与する情報通信分野でも他人事ではない。
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岡野原大輔, ヒトとAI

AIとの付き合い方を考える本。現在のAIはすでに一般化、因果の把握、反実仮想、転移と頑健性、説明可能性といった能力を獲得しており、外形的にはものごとを "理解" しているといえる水準に達している。しかしながら、AIは当事者性が欠如しており、判断の結果を引き受けることはできない。AIを仕事に組み込むということは、こうした不一致を前提として仕事を再設計することである。この当事者性がないという点はAIの本質によるものであり、技術の多少の進歩で解決できるものではない。AIを利用してい...
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Brian W. Kernighan(著), 久野靖(訳), ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室

カーニハンによるプリンストン大学の講義を書籍化したもの。原著は2011年、訳書は2013年の発行のため、AI・機械学習分野は漏れているが、そこさえカバーすれば今でもそのまま教科書として使用できる。情報専攻の学生には少々物足りないかもしれないが、専門外の学部生には十分な内容。
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柏木吉基, 「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本

かなり初心者向けの内容で、ビジネスで統計分析をする必要があるが右も左もわからないという人向け。ビジネスで利用する分析手法は受け手側が理解できる手段でなくてはならない、という思想はこの種の統計入門書ではかえって新鮮。その思想のもと単回帰分析までしか扱わないという割り切りには潔さを感じる。
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大河内直彦, チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る

気候変動の研究は様々な科学技術の集大成である。地質学はもちろんのこと、生物学、物理学、化学、あらゆる分野の発見が気候変動の研究に新たな知見をもたらす。観測技術の進歩により新たな研究が可能となることも多く、新たな発見により定説が覆り続けている。本書はそうした歴史を誠実に描いたものである。研究者の手による本であり、参考文献による裏付けがしっかりしているので安心して読める。それだけではなく、図版が非常に豊富なのが一般読者にはありがたい。科学的な内容だけではなく、関係する科学者たちの...
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ロバート・P・クリース (著), 青木薫(訳), 世界でもっとも美しい10の科学実験

10の実験の選定には異論がない。科学実験と謳いながらも物理実験に偏っているが、ここに割り込めるような化学や生物の実験があるかというと思い当たらない。"美しい" に重きをおいているせいもあり、科学実験自体の詳細な説明は最小限となっている。実験にまつわる科学者の描写も多め。このあたりのバランスは賛否が分かれるかもしれない。