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パコ・アンダーヒル(著), 鈴木主税(訳), 福井昌子(訳), なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学

小売現場のエスノグラフィの第一人者であるパコ・アンダーヒルの著書。売場作りの入門書としても一級品だが、単純な読み物としても抜群に面白い。小手先の理論だけではなく、小売の現場を観察し続けてきた重みが感じられる。
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フランセス・アッシュクロフト(著), 矢羽野薫(訳), 人間はどこまで耐えられるのか

人間の限界というものを生理学の観点から考察した本。よくある科学ライターが書き飛ばしたような本ではなく、生理学の専門家による著作。取り上げられているテーマも、非常にプリミティブな興味を惹くものばかり。
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奥野幹也, 理論から学ぶデータベース実践入門 リレーショナルモデルによる効率的なSQL

著者は漢のコンピュータ道の中の人。世の中に数あるSQLの小手先の技術を解説しただけのデータベース本と異なり、リレーショナルモデルの本質の部分を攻めているのが見事。一見遠回りのように見えるが、これが本当の近道という気がする。
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トーマス・トウェイツ(著), 村井理子(訳), ゼロからトースターを作ってみた

この "ゼロから" は、自然の中にある材料から、という意味。鉄鉱石を精錬し、マイカ (雲母) を引き剥がし、銅を電解精錬し、とバカバカしくも見事な企画。何気なく使っている安価な家電製品が世界中の様々な工業的プロセスに依存していることに気付かせてくれる。著者はRoyal College of Artの学生で、卒業制作としてこのプロジェクトに取り組んだとのこと。学生故の準備不足や無計画さが目に付き、所々やむなく初心を曲げてしまっている個所もあるが、そういった細かい点を吹き飛ばすほ...
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川端裕人, 三島和夫, 8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識

作家の川端裕人が睡眠の専門家・三島和夫 (国立精神・神経医療研究センター) に最新の睡眠研究の事情を伺うスタイル。少々前の研究で有名になりひとり歩きしていた体内時計25時間周期説、8時間睡眠が理想とする俗説など、睡眠に関わる従来の通説を次々と斬っていくのは痛快。
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ウイリアム・ブロード(著), ニコラス・ウェイド(著), 牧野賢治(訳), 背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?

STAP細胞の騒動を受けて緊急出版されたという触れ込みだが、話題に合わせて急遽でっち上げた様ないい加減な本ではない。原本は1982年の出版で、過去に邦訳も出ていた本を新装したもの。捏造問題は決して科学者個人の資質によるものではなく、構造的に不可避な問題であることがよく分かる。出世主義、盲信、師弟関係の圧力などの多くの要因から逃れるのは決して容易なことではない。事実、歴史的な科学者達の論文にも捏造の跡が多数発見されているのだ。
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ナシーム・ニコラス・タレブ(著), 望月衛(訳), まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

タレブの代表作の一つ。リスクの数学的な話よりはもう少しメタな話。皮肉に満ちた語り口は好みが分かれるところだと思うが、世間で生存バイアスが軽視されすぎているという主張自体は納得できる。
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山内志朗, ぎりぎり合格への論文マニュアル

普段読む論文の書き方マニュアルは理工系のものが多いが、これは人文学系の教授によるもの。とはいえ、論文の書き方の本質である主題や題材の定め方などは分野により異なるものでもないので、十分に参考になる。自ら偏執者を名乗る通り、細かな記号の使い方や体裁の整え方の記述も豊富。ただし、こちらは理工系の論文誌の作法とは少々異なる点もあるので、参照の際はご注意を。
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ネマタ(著), 福地誠(編), もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

勝つための現代麻雀技術論の続編。今回は基礎理論というよりも何切るが主体で読みやすい。解説も概ね納得できる内容。
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メアリアン・ウルフ(著), 小松淳子(訳), プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?

言語学と脳科学の見事な融合。書を読むということが脳にどの様な影響を与えるのかという大きな問題への解を見事に示してくれる。普段何気なく行っている読書という行為が、非常に複雑なプロセスの集合体であることに気付かせてくれる。つい読書を会得した子どもの頃に思いを馳せてしまった。