book 新開省二, 50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! 「低栄養」が老化を早める 著者は疫学の専門家。その観点からは、粗食中心の高齢者よりも栄養十分な食事を取り活動的な生活をしている高齢者の方がむしろ健康長寿を保っている。この結論は当たり前と言えば当たり前なのだが、粗食の健康イメージを刷り込まれているとその当たり前を見失いがち。 2011-10-11 book
book タイラー・コーエン(著), 高遠 裕子(訳), インセンティブ 自分と世界をうまく動かす サブタイトルにある "自分と世界をうまく動かす" は少し誇大広告で、実際には行動経済学周辺の小ネタ集。あまり体系立った本ではなく、読み物として楽しむ本。 2011-10-07 book
comic あさりよしとお, まんがサイエンス 12 今回は登場人物一新前の1990年代後半から2000年代中盤にかけての作品を収録。この歳になっても未だに知らないことが多く、新鮮な驚きがある。大人の鑑賞にも耐えるクオリティ。 2011-10-04 comic
book ドナルド・ノーマン(著), 伊賀聡一郎(訳), 岡本明(訳), 安村通晃(訳), 複雑さと共に暮らす デザインの挑戦 ノーマン先生の新著。複雑さは避けられるものでも無理に減らすべきものでもなく、一貫性を持って扱える様にするべきものであるとの論。他の著作と同様、豊富な事例や図版に気付かされることが多い。 2011-10-02 book
book 橘玲, 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 橘玲は亜玖夢博士シリーズあたりから認知心理学や行動経済学の要素を取り入れ始め、デビュー当初の投資ネタは控えめになってきている様に見える。本書はその新要素の一応のまとめ的内容。自己啓発本への違和感 (や科学との矛盾) には頷ける部分が多い。 2011-09-21 book
book 前田泉, 待ち時間革命 表題だけ見ると待ち時間一般の話の様だが、実際は医療機関の待ち時間を専門に扱った本。とはいえ、医療機関以外へ適用できる部分も多い。特に、決して闇雲に待ち時間をゼロにすることが最良とは限らず、待ち時間の質を向上させる方が効果的なケースも多いという指摘は他分野でも意識されるべき。 2011-09-19 book
book 中尾佐助, 分類の発想 思考のルールをつくる 著者の専門とする植物学やその親玉である本草学・博物学はいわば分類を行うための学問と言える。その学問の中で、タクソンやクライテリオンがどの様に定義されているかは、他分野でも参考になるだろう。恥ずかしながら自分は今まで類型分類や規格分類、系譜分類の違いにすら鈍感であっったが、それらの分類手法の差を意識することで一段上からの視点を得られたことが実感できる。 2011-09-17 book
book クレイグ・R・ライト(著), トム・ハウス(著), 薙野正明(訳), ベースボール革命 21世紀への野球理論 はまだセイバーメトリクスが普及する前の1989年の発行だが、今読んでも新鮮な内容が多い。CERA (捕手防御率) 、エラー記録の欠点、タイ・カッブとピート・ローズの時代を超えた比較、ナックルボーラーの育成、ホーナス・ワグナーの再評価など、記録ヲタクには興味をそそられる内容ばかり。その中でも注目するべきは以下の2項目。一つ目は多くの紙幅を割いている投手起用。メジャーリーグ黎明期から現在に至るまで、ルールや環境の変化が投手の寿命にどのような影響を与えてきたかを調査している。その手... 2011-01-29 book
book John Dewan, The Fielding Bible 著者の欄にはJohn Dewanの名前しか書かれていないが、実際にはBill Jamesが大きく関与している。実は野球の守備に関する統計は、ここ130年ほど進化していなかった。すなわち、試合数、刺殺、補殺、失策、守備率といった野球の黎明期に考えられた指標が惰性で使われ続けてきた。本書は、それらに代わる新たな守備指標を整備しようという野心的な試み。主に以下の4つの指標が用いられる。Relative Range Factor以外は地道な画像分析を基に算出した数値なので個人で検証す... 2011-01-16 book
book ダイアン・コイル(著), 室田泰弘(訳), 矢野裕子(訳), 伊藤恵子(訳), ソウルフルな経済学 格闘する最新経済学が1冊でわかる 「今時の経済学って何をやってるの?」という素朴な疑問に答えてくれる本。あまり読みやすい本でも、読んで面白い本でもないが、経済学というものが浮世離れした数式を扱うだけの学問ではないということはよく伝わってくる。 2011-01-15 book