sociology

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鈴木大介, 家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生

いわゆるプチ家出ではなく、様々な理由から路頭に迷うこととなった本気家出少女達のインタビュー集。壮絶な内容で興味深くもあるが、どこまでインタビュー内容の裏をとっているかはわからないので話半分で。
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八雲星次, 職業治験 治験で1000万円稼いだ男の病的な日々

高額バイトの話題でよく名前が上がるものの、その実態があまり知られていない治験。それを生業としている男の手記。とにかく楽をしたいという理由で治験生活を続けているという告白は素直過ぎてむしろ好感が持てる。一方で、厳密に科学的な手順が求められるはずの治験の末端は、かなり危ういところで成り立っているのもよく分かる。
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根本祐二, 「豊かな地域」はどこがちがうのか 地域間競争の時代

人口コーホート図と経済センサスを用いた地域分析手法の紹介。この二つの簡易な分析だけから様々な仮説が導かれるのを見るのは爽快。
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河邑厚徳, グループ現代, エンデの遺言 根源からお金を問うこと

ミヒャエル・エンデの話は枕として使われているだけで、中心はシルビオ・ゲゼルらによる自由貨幣の話題。自由貨幣の小さな成功例とメリットばかりで、欠点や批判的な意見に触れることはない。そのため、なぜそんな素晴らしい自由貨幣が限られた範囲でしか利用しかされていないかという素朴な疑問が解決しない。全体を通じて自由貨幣支持者の取材を主要な情報源としていることもあり、参考文献も挙げられておらず、根拠が不明な記述も多い。意図的かはわからないが、自由貨幣の利点と地域通貨の利点を混同して説明して...
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坂口恭平, TOKYO 0円ハウス 0円生活

思想はやや荒削りながら、隅田川のブルーシートハウスに新しい建築の姿を見出すという試みは興味深い。昨日のルポ 最底辺と同じ野宿者を扱いながらも、こちらは一転して明るい雰囲気。性格の差か、スキルの差か、著者のフィルタの差か。
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生田武志, ルポ 最底辺 不安定就労と野宿

著者は野宿者支援活動を進めている方で、特に日雇い労働問題に詳しく、自身も学生時代から釜ヶ崎での日雇い生活を体験している。そのためか、様々な不安定就労の中でも特にドヤ街での日雇い労働生活とそこからの野宿への転落に深く切り込んだ内容となっている。野宿生活に陥るまでの流れやそれに対する行政の不備は非常によく分かるが、労働者やその支援者の視点からしか語られていないのがやや残念。行政側の論理も取り上げられれば、より深い考察ができたものと思う。
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本川裕, 統計データはおもしろい! 相関図でわかる経済・文化・世相・社会情勢のウラ側

統計データというよりも、相関図のおもしろさに注目した本。著者は、社会実情データ図録も運営している。退屈な統計な解説はさておき、社会ネタの相関図のおもしろさが前面に出てくるので読んでいて飽きない。また、データを深掘りする際の思考の流れがよくわかる構成になっているのもありがたい。
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郷田マモラ, モリのアサガオ 番外編

モリのアサガオの続編。本編と同様、法学よりも感情論に偏りがちではあるが、死刑反対派の素直な感情はこのあたりかもしれないと思う。
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豊田正義, 消された一家 北九州・連続監禁殺人事件

あの北九州監禁殺人事件を追ったルポタージュ作品。事件の内容が内容だけに関係者へのインタビューは限られているが、公判記録から事件を見事に再構成している。主犯の松永太の生育環境など掘り下げが不十分と思われる個所があるものの、関係者が口を閉ざす中でよくここまでまとめたものと思う。この事件を扱う上では避けて通れない監禁や殺人の描写はかなり生々しいので、耐性がない方はご注意を。
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礫川全次, 隠語の民俗学 差別とアイデンティティ

在野の研究者による隠語の世界への導き。先人の研究からきちんと解説しているので、初学者でも楽しめる構成となっている。隠語の性質上、記録が少なく想像に頼らざるをえない部分が多いとはいえ、語源の推定などでやや論理が飛躍している箇所が見られる。