book 中村淳彦, デフレ化するセックス AV女優を始めとしたセックス産業のドキュメンタリー。従来の著作と異なるのは、デフレ下で貧困状態に陥っているケースが多い実態にフォーカスしていること。当事者へのインタビューを元に可処分所得などを推計していくスタイル。インタビューはあまり裏を取らずに発言をそのまま信用しているように見えるので話半分で。 2013-11-10 book
book 小林伸一郎, 廃墟遊戯 Handy Edition 廃墟をテーマとした写真集。廃工場や廃坑が中心で、"工場萌え" にも通じる美がある。は1998年の刊行で、廃墟本としては比較的初期の部類。収録写真も1980年台後半から1990年台中盤頃のものが多い。 2013-10-28 book
book 中田信哉, ロジスティクス入門 単なる物流を越えた、マネジメントとしてのロジスティクスの入門書。事例を並べただけの本とは異なり、理論的な背景もしっかりと説明されているのが好印象。米国で "ロジスティクス" という言葉が生まれるまでの歴史や、物流管理とロジスティクスの違いなど、基礎から理解させてくれる。 2013-10-16 book
book 別冊宝島編集部(編), パクリ・盗作 スキャンダル事件史 良くも悪くも宝島らしい本。パクリをテーマにまとめられてはいるものの、様々な意見を持ったライターの寄稿の寄せ集めで質も玉石混交。ただし、出版当時までの主要な事件はひと通りカバーされているので、類書の少ないこの分野の概要を知るには悪くない。 2013-10-12 book
book リクナビNEXT Tech総研(編集), 我らクレイジー☆エンジニア主義 リクナビNEXTの同名の連載からよりぬきして単行本化したもの。直接役に立つようなtipsがあるわけでも、自己啓発本のように明確な指針を与えてくれるわけでもないが、読み物として抜群に面白い。その上、エンジニアや研究者など技術に携わる人ならば間違いなく元気になれる。 2013-09-27 book
book 満員電車がなくなる日 鉄道イノベーションが日本を救う 満員電車の歴史と、満員電車をなくすための方策の提言。提案されている運行方法のイノベーションは素人目にはリスクが高まりそうに見える箇所がある。例えば、コストダウンのために無線LANをこの種の基幹で利用するなど、通信屋としては非常に怖い。一方で、戦略的プライシング等の運賃のイノベーションは非常に興味深い。社会的批判さえ乗り越えられれば十分に実現性があるものと思われる。 2013-09-25 book
book 石井彰, エネルギー論争の盲点 天然ガスと分散化が日本を救う 出版時期からすると3.11直後に慌てて出版されたようにも見えるが、内容は意外と本格派。電力のみではなくもう少し広い視点でエネルギー全体の最適化を考えている点が特徴的。著者の経歴からしてやや天然ガスに肩入れし過ぎているきらいはあるが、概ね説得力のある内容。 2013-09-16 book
book 安明哲(著), 池田菊敏(訳), 北朝鮮 絶望収容所 脱北者による告発本。いわゆる政治犯ではなく、警備隊員として完全統制区域に務めていた人物の手記であり、より広い情報が含まれている。著者は現在は文筆業ではなく農協勤務とのことなので、無理に刺激的にするインセンティブは少ないものと思われる。とはいえ、他の証言と付き合わせる必要は感じる。 2013-09-14 book
book 小牟田哲彦, 鉄道と国家 「我田引鉄」の近現代史 政治の視点から見た鉄道史。鉄道絡みの歴史上のエピソードには興味深いものが多く、単純に読み物として面白い。歴史を辿り、限られた証拠から関係者の思惑を読み解き、と文句なし。ただし最終章の "海外への日本鉄道進出" は唐突に外交に関する私見が始まり、やや蛇足感がある。 2013-09-02 book
book 三橋貴明, マスゴミ崩壊 さらばレガシーメディア 既存マスコミに対する批判本。従来からネット上で頻繁に語られているマスコミ批判やマスコミの凋落の原因をまとめた体裁であまり新味はないが、今まであまりマスコミに関して興味を持たなかった人が一冊目に読むには良い内容。 2013-09-01 book