sociology

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E.F.シューマッハー, 小島慶三(訳), 酒井懋(訳), スモール イズ ビューティフル 人間中心の経済学

1973年に出版された本だが、今読むとまるで予言書のよう。工業資源、特に石油についての指摘は今の時代にもそのまま当てはまる。さらに、「組織と所有権」と題して論じられる大規模組織や公共機関のあり方なども学ぶことが多い。文庫なのに1,200円もするのはアレだが、内容は間違いなくお勧めできる。
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コモエスタ坂本, 低度情報化社会 Ultra Low-level Information Society

コモエスタ坂本先生の7年振りの新刊。ここしばらくはAll Aboutの 野球・メジャーリーグのガイドで生存確認をしていたが、今作のテーマは情報化社会。情報爆発により情報のS/N比が低下し、さらに情報の重要度の見極めが難しくなるために情報化社会の質が低下している、という論旨。どこかで聞いたことがあるような話ではあるが、現在のブログやmixiの例や、坂本氏の過去の記事を交えてきちんと読ませてくれる。
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小林由美, 超・格差社会アメリカの真実

米国の建国以来の政権の移り変わりと富の移動が密接に関係していることが豊富なデータで示され、格差の現状のみならずその格差が生まれるまでのメカニズムがよくわかる。在米26年の経営戦略コンサルタントの著者だけあって、格差社会の中の米国人のメンタリティも十分に伝わってくる。お勧め。
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西村博之, 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?

ジャケ買い、というか帯買い。表題の2ちゃんねるが潰れない理由は少し弱いかも。面白いのはむしろ2ちゃんねるとは関係ない脇道や対談のほう。
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田中淳夫, 割り箸はもったいない? 食卓からみた森林問題

森林を破壊しているということで叩かれている割り箸。その割り箸が本当に環境破壊の元凶なのかを追ううちに、舞台は吉野から中国・ロシア、果ては欧州まで広がりを見せる。最後は日本の林業の未来への提言まで含んだ力作。
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ジェフリー・ムーア, 川又政治(訳), キャズム

積ん読になっていた少し前の本を読み終える。マーケティングや販売手法などは今の仕事に直接関係しないが、テクノロジー・ライフサイクルの考え方は頷けることが多い。
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森達也, 世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー

昨日に続けてメディアリテラシー本を読む。こちらも子供向けを意識した本で、流して読めば小一時間で終わる分量だが、きちんと読むと内容は濃い。元テレビ屋の森氏だけあり、テレビの内情と問題点に対する考察は見事。
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吉田一郎, 国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ!

世界中の奇妙な52ヶ国をピックアップした雑学本。国ごと音信不通になったナウル共和国、女人禁制の聖山修道院自治州、領土を持たないマルタ騎士団などなど。これらをみていると、世界の国家という枠組みが実に危ういものに見えてくる。
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西原理恵子, できるかなクアトロ

以来3年半ぶりの "できるかな" 。今回のメインのヒジュラ (インドのおかま) 編、高須院長編、恐竜発掘編は相変わらず。今回はさらに、小学6年生に連載されていたとは思えない内容の "人生一年生" と、先生の美術予備校から美大時代を描いた "パチクロ" がおすすめできる。
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栄陽子, 留学で人生を棒に振る日本人 “英語コンプレックス”が生み出す悲劇

アメリカの大学を卒業したのに就職できない、そんな留学の間違いをまとめた本。これから留学を考えている人には参考になるであろう情報が多い。たとえばアメリカの大学のシステム。一口にアメリカの大学と言ってもリベラルアーツ・カレッジとコミュニティ・カレッジでは全く設立された背景や目的が異なり、当然のことながら教育内容も大きく異なる。また、あまり良心的とは言えない留学エージェントの現状も参考になる。こちらは、不安ならば著者の栄氏の経営する「栄陽子留学研究所」へ、というメッセージが少々透け...