sociology

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パオロ・マッツァリーノ, つっこみ力

パオロ氏お得意の統計漫談。 今回は「つっこみ力」というテーマが据えられているが、やってることは今までと変わりない。相変わらず軽快な語り口も見事。
comic

泉昌之, ダンドリくんBlack

風俗版のダンドリくん (厳密にはダンドリくんとダンドリくんBlackは別人だけど) 。 一応ダンドリらしきことはしているが、テーマがテーマだけに、ダンドリくんの続編として読むと違和感がある。別の作品として割り切って読むなら十分に面白い。
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安田理央, 雨宮まみ, エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること

エロ本文化の衰退と、アダルトビデオの進化の2つのテーマが柱。最後にインターネットの影響と次世代アダルトメディアも語られているが、こちらは少し踏み込みが浅いか。 特に、サブカルチャーの受け皿であったエロ本が、裏モノ雑誌に食われていった経緯が興味深い。
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稲森謙太郎, 知られざる特殊特許の世界

出張帰りの新幹線の中で読破。 トンデモな特許を笑うだけの本かと思っていたら、意外とマトモな特許解説が行われていて驚く。特殊特許の合間に挿入されるコラムは、特許の基本を身につけるのに十分なレベル。もちろん、ネタ的にも十分笑えるものが揃っているので、そういった向きにもおすすめできる。
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ロバート・A・グーラ, 山形浩生(訳), 論理で人をだます法

「だます法」という題になっているが、実際にだますテクニックを学ぶという本ではないと思う。屁理屈な論理を類型化して笑い飛ばしたり、またそれらのパターンを知ることで検出できるようにするための本。 翻訳は山形氏なので上々。
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架神恭介, 君主論太郎, 辰巳一世, 完全覇道マニュアル はじめてのマキャベリズム

マキャベリの名著であるの入門書だが、小学校をのクラスの覇権争いを題材にしているのが面白い。天下取りといっても、その実は小学校の勢力争いの延長ということだろう。 文章が軽めの上、短めのストーリーに区切られているのでサクサク読める。しかしながら、40人のクラスでの覇権争いを描く都合上、序盤から一気に多数の勢力が登場するので、公式サイトにある5年3組勢力図を手元に置きながら読むのがおすすめ。 また、覇権争いの合間に挿入される、ふくろう先生の解説が殺伐としていて実に良い。聞き手のはな...
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橘玲, マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで

まずはマネーロンダリングの実例であるカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件の具体的な事例の解説。その資金の流れは複雑に入り組んでおり、理解するのに一苦労。 むしろマネーロンダリングの事例よりも面白いのが、マネーロンダリングに関連する各種のカラクリの解説。コルレス銀行・コレスポンデント口座、SWIFT、プライベートバンクの歴史、ハワラなどの解説はおすすめできる内容。
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中谷内一也, リスクのモノサシ 安全・安心生活はありうるか

リスクをはかるには、危険か安全かの二分法ではなく、統計に基づくリスク評価が重要というお話。 年間死亡率に基づく標準化されたリスク比較セットをモノサシとして使用するべきという考え方は合理的に思える。
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須田慎一郎, 下流喰い 消費者金融の実態

流行のキーワードの入った題名にあざとさを感じながら手に取ったが、これが大当たり。 消費者金融の現場の問題点のみならず、消費者と金融庁の確執や銀行をも巻き込んだ業界再編など、高い視点からの解説も豊富。また、90年代以降の消費者金融の急成長から、最近のアイフルの営業停止、そしてグレーゾーン金利まで、最新の状況にも触れられているのもうれしい。この分野の一冊目としてもおすすめできる内容。
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ジェームズ・スロウィッキー, 小高尚子(訳), 「みんなの意見」は案外正しい

集団の中の人々が意見の多様性を持ち、独立に行動し、身近な情報を利用できる状況で、各人の意見を集約するメカニズムを導入してやることで、正しい意志選択が可能になるとのこと。確かにそう指摘されると思い当たるところはいろいろある。自分のまわりだけをみても、オープンソースソフトウェアの成功や、(効率的な) 株式市場などが思い浮かぶ。 本書中で数多くの例が紹介されているが、本当に上の様な条件を満たせば正しい選択が可能になるのか、もしくは都合のよい例を集めているだけなのか、という点だけは疑...