book 岡崎洋三, 日本語とテンの打ち方 学校の作文教育ではきちんと教えられないテンの打ち方を一冊丸ごと。著者なりの体系立った打ち方の理論があるわけではなく、様々な例文を持ち出してきては都度解説をするスタイル。例文はやや新聞贔屓が過ぎるか。本書中に著者の経歴が書かれていないので想像に過ぎないが、新聞出身かもしれない。 2017-04-06 book
book 米本和広, 教祖逮捕 「カルト」は人を救うか 1996年から1999年頃にかけてのルポタージュをまとめたもの。法の華、ライフスペース、貴乃花やTOSHIの洗脳騒動、親鸞会や顕正会と、その時時の旬の話題が中心のため、本としてのまとまりは今ひとつだが、事後に明らかになった事実の補足等もあり、今改めて読み返す価値がある。 2017-03-25 book
book オリ・ブラフマン(著), ロッド・A・ベックストローム(著), 糸井恵(訳), ヒトデはクモよりなぜ強い 分権型の組織 (ヒトデ) と中央集権型の組織 (クモ) の比較論。アパッチ族とスペイン軍、ナップスターとレコード会社など、ヒトデとクモの比較事例を用いた分析。定性的な分析のみではあるが、論理は通っている。過去にヒトデを滅ぼすことに成功した戦略、特にスペイン人がアパッチ族に畜牛を与えて権限を中央に集めさせた事例は興味深い。 2017-03-21 book
book ケビン・ミトニック(著), ウィリアム・サイモン(著), 岩谷宏(訳), 欺術 (ぎじゅつ) 史上最強のハッカーが明かす禁断の技法 ケビン・ミトニックの実体験に基づいた豊富な事例が実に興味深い。自身が同じ手口に出会ったときに、正しい対処を取れる自信がない。巻末の防御手法自体はやや退屈で、時代遅れの部分も含まれているので読み飛ばしても良いかもしれない。翻訳は岩谷宏だが、比較的無難な仕上がり。 2017-03-15 book
book 橘木俊詔, 森剛志, 新・日本のお金持ち研究 本書で言う "お金持ち" は、高額納税者のこと。すなわち、個人で大きな課税対象所得がある人々だけを対象としており、上手く節税している人々や資産運用益中心の人々は除かれている。このあたり、一般の人が "お金持ち" と聞いて思い浮かべるものと乖離しているように思える。全国高額納税者名簿に掲載された人々への質問紙調査を主な情報源としているが、回収率が不明なのも残念。相当のバイアスを覚悟して読む必要がある。なお、表題からの改訂版と思いこんでこちらから読み始めたが、続編にあたるものらし... 2017-02-26 book
comic 風間やんわり, やんわり社会派宣言 FRIDAYの連載はさすがに時事ネタが多すぎ、今となっては元ネタが思い出せない事件も多い。一方で、後半のニートピアやいまじんは今でもまったく古さを感じさせない出来で、こちらのためだけにでも買う価値がある。 2017-02-22 comic
comic 白正男(作), 山戸大輔(画), テコンダー朴 (2) 前巻で完結した雰囲気だったが、まさかの復活。もともとあまり長期連載向きのフォーマットではないせいか、ネット上で流行した時事ネタを盛り込んで嵩増ししている感はあるが、それでも水準以上の出来。 2017-02-17 comic
book モートン・ルー(著), 小柴一(訳), ザ・ウェーブ 実話を下敷きにした小説。ファシズム的な環境を作る実験授業をテーマにしており、あれよあれよという間に教師すら制御不可能なところへ暴走してしまう様には空恐ろしさを感じる。内容は文句ないが、翻訳は直訳調で今ひとつ。 2017-01-31 book
book スティーブ・フォックス(著), ポール・アーメンターノ(著), メーソン・トヴェルト(著), 三木直子(訳), マリファナはなぜ非合法なのか? 著者陣は、Marijuana Policy Project (MPP), the National Organization for the Reform of Marijuana Laws (NORML), Safer Alternative For Enjoyable Recreation (SAFER) の各団体の幹部クラスが揃い踏み。いずれもマリファナ合法化を目指している団体だが、きちんとしたエビデンスを重視した上で、平和的に合法化を狙っているのが特徴。ではそのマリフ... 2017-01-04 book