book 橘玲, 「リベラル」がうさんくさいのには理由がある 日本の「リベラル」の失敗してきた過程を辿り、世界標準のリベラリズムへ近づけるための提言を行っている。沖縄集団自決裁判から、集団的自衛権、テロと宗教など、幅広い実例を持ち出してのリベラルの振り返りは興味深い。 2017-06-06 book
book 草下シンヤ, 実録ドラッグ・リポート 元ジャンキーな作家によるドラッグ体験エッセイ。どこまで盛っているのかはわからないが、ジャーナリストが取材しただけでは書けなそうなネタが多数。 2017-05-21 book
book 新庄耕, ニューカルマ 狭小邸宅が良かったのでこちらも。今回のテーマは、ルポは多数あるものの小説としては珍しいネットワークビジネス。追い込まれた勤め人の揺れる感情の切り取り方は実に巧み。 2017-05-03 book
book 岡崎洋三, 日本語とテンの打ち方 学校の作文教育ではきちんと教えられないテンの打ち方を一冊丸ごと。著者なりの体系立った打ち方の理論があるわけではなく、様々な例文を持ち出してきては都度解説をするスタイル。例文はやや新聞贔屓が過ぎるか。本書中に著者の経歴が書かれていないので想像に過ぎないが、新聞出身かもしれない。 2017-04-06 book
book 米本和広, 教祖逮捕 「カルト」は人を救うか 1996年から1999年頃にかけてのルポタージュをまとめたもの。法の華、ライフスペース、貴乃花やTOSHIの洗脳騒動、親鸞会や顕正会と、その時時の旬の話題が中心のため、本としてのまとまりは今ひとつだが、事後に明らかになった事実の補足等もあり、今改めて読み返す価値がある。 2017-03-25 book
book オリ・ブラフマン(著), ロッド・A・ベックストローム(著), 糸井恵(訳), ヒトデはクモよりなぜ強い 分権型の組織 (ヒトデ) と中央集権型の組織 (クモ) の比較論。アパッチ族とスペイン軍、ナップスターとレコード会社など、ヒトデとクモの比較事例を用いた分析。定性的な分析のみではあるが、論理は通っている。過去にヒトデを滅ぼすことに成功した戦略、特にスペイン人がアパッチ族に畜牛を与えて権限を中央に集めさせた事例は興味深い。 2017-03-21 book
book ケビン・ミトニック(著), ウィリアム・サイモン(著), 岩谷宏(訳), 欺術 (ぎじゅつ) 史上最強のハッカーが明かす禁断の技法 ケビン・ミトニックの実体験に基づいた豊富な事例が実に興味深い。自身が同じ手口に出会ったときに、正しい対処を取れる自信がない。巻末の防御手法自体はやや退屈で、時代遅れの部分も含まれているので読み飛ばしても良いかもしれない。翻訳は岩谷宏だが、比較的無難な仕上がり。 2017-03-15 book
book 橘木俊詔, 森剛志, 新・日本のお金持ち研究 本書で言う "お金持ち" は、高額納税者のこと。すなわち、個人で大きな課税対象所得がある人々だけを対象としており、上手く節税している人々や資産運用益中心の人々は除かれている。このあたり、一般の人が "お金持ち" と聞いて思い浮かべるものと乖離しているように思える。全国高額納税者名簿に掲載された人々への質問紙調査を主な情報源としているが、回収率が不明なのも残念。相当のバイアスを覚悟して読む必要がある。なお、表題からの改訂版と思いこんでこちらから読み始めたが、続編にあたるものらし... 2017-02-26 book
comic 風間やんわり, やんわり社会派宣言 FRIDAYの連載はさすがに時事ネタが多すぎ、今となっては元ネタが思い出せない事件も多い。一方で、後半のニートピアやいまじんは今でもまったく古さを感じさせない出来で、こちらのためだけにでも買う価値がある。 2017-02-22 comic