朝日ゲームサイエンスクラブ, 麻雀の常識を破る本

麻雀の常識を破る本, 朝日ゲームサイエンスクラブ, 二見書房

麻雀古書シリーズ第二弾です。

“古書” というほど古い本ではないのですが (昭和57年初版発行) 現在既に絶版で入手困難です (困難でした) 。麻雀書って寿命短かすぎるよなぁ・・・。

実はこの本、大昔に “ぎゅわんぶらあ自己中心派” の全自動の狼の回の参考文献で発見して以来、ずっと (散発的にですが) 探していたのですが、最近ようやくゲットしました。では、早速レビューです。

まずは、コンピュータを使用した配牌の向聴数のシミュレーションが目に付いたのでcomjong.comの値と比較してみると、大きくは外れていないようで一安心。数パーセント程度のズレはありますが、これはこの本の試行回数が 1000 回と少ないために (当時のコンピュータでは頑張っていると思いますが) 生じたズレでしょうか?

その後、簡単な思考ルーチンによるシミュレーションがありますが、字牌の孤立牌→数牌の孤立牌→辺張の片方→嵌張の片方、の順で切っている程度で (複合型をどう処理しているかは不明) 、あまり参考になりません。ポン・チーありのシミュレーションもありますが、これも仮定がやや雑なので、参考程度にみた方が良さそうです。また、その後に続く手役の出現率計算についても同様で、少々モデルが雑に見えます。

ところで、この本のサブタイトルは “大型コンピュータがはじきだした!” とあるのですが、実はコンピュータを本格的に使っているのは上のシミュレーションまでで、後半は一般的な戦術論が中心となります (ところどころに、申し訳程度に数字が入りますが) 。それはそれで有益な内容も含まれているのですが、少々看板に偽りがあるような気もします。

巻末には付録として BASIC で書かれたサンプルプログラムが載っています。しかし、この本の肝であるところの、向聴数の算出ルーチンは全く載っていません。なぜでしょう?

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