川又三智彦, 二極化ニッポン

最近、かなりの数の破綻本が出版されている。しかし、その多くは、あまりに話が飛躍しすぎていたり、煽るだけ煽って特定の金融商品へ誘導しようとしていたり、ただのトンデモ本だったりと、正直読むに耐えない。

そんな中、比較的まともに読めたのが本書。論理の飛躍も少なく (まったくないとは言わない) 、データの裏付けも類似本の中ではかなりまとも。

繰り返される官僚批判がちょっと鼻に付くが (これはツカサのウィークリーマンションの立ち上げ時に許認可が得られなかった恨みも含まれていると思う) 、主張自体は筋が通っている。

また、これからの時代を生き抜く方法について、トンデモ系の破綻本によくある「あなただけが助かる方法」などはない。国任せや会社任せで生きることをやめる、流れに逆らわない、二極化へあわせたライフスタイルへ見直す、などごくごくまっとうな、まっとうなだけに実現は難しい正攻法だけが語られるのが非常に好印象。

コメント

タイトルとURLをコピーしました