ケン・スティグリッツ(著), 川越敏司+佐々木俊一郎+小川一仁(訳), オークションの人間行動学 最新理論からネットオークション必勝法まで

オークション理論の主要なところがよくまとまっている。

副題には “ネットオークション必勝法” と勇ましく書かれているが、Yahoo! オークションなどで広く行われている2位価格オークションでは自身の評価値そのままを狙い撃ち入札するべきという当たり前と言えば当たり前の結論が導かれている。

数学的に興味深いのは、2位価格オークションと1位価格オークションの様に異なる形式のオークションが戦略的同値であり、正しいビッドシェイディングが行われれば売り手の期待収入も買い手の余剰も同一となるというところ。

本編は数式は少なめで構成されているが抽象度が高いので、ある程度数学の素養が無いと読むのが厳しいかもしれない。巻末の付録 (と言ってもかなりボリュームがある) にはがっちりしたオークション理論の解説と数式もあるので、本格的にオークション理論やゲーム理論を学ぶ前のウォーミングアップとしても。

翻訳は所々読みにくいところがあるが、共訳なので質のばらつきは仕方ない。

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