横田増生, 潜入ルポ アマゾン・ドット・コム

著者はもともと流通業界紙の出身だけあり、その視点からのアマゾンの分析は面白い。また、潜入ルポとしてアマゾンの流通センターの内情を僅かとは言え明らかにしたのは見事。

一方で、アマゾンという企業の分析は全く物足りない。アルバイトで潜入した立場から得られる情報は限られており、それをどうこね回しても根拠の薄い憶測にしかならない。その最たるものがアマゾンとブックオフの関係で、たまたまアルバイト中に目にしたベンダーコード一覧にブックオフの名前があったことだけを根拠に中古本を新品として売ってるのではないかと邪推するが、アマゾン側に一蹴されている。

また、取ってつけたような格差社会批判や再販制度擁護は考察も甘く、むしろ無かったほうが良かった程度。

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