大きく二部構成のセイバーメトリクス本。
前半は岡田友輔による12球団の2012年度シーズンの戦力分析 (完全に読む次期を逸してしまった) 。特典価値を重視した分析が特徴的。また、選手の年齢分布から数年後のチーム作りを見据えた補強戦略などを分析しているのも面白い。
後半は雑多なセイバーメトリクス関連レポート集。
高多薪吾による “日本シリーズ投手酷使史” はセイバーメトリクスかというとやや疑問な記事ではあるが、読み物としては文句なしに面白い。
蛭川皓平の “年齢の変化と成績の関係” は非常に興味深いレポート。打者は27歳、投手は22歳 (!) でピークが来るという発見は大きな驚きがある。ただし、まだ様々なバイアスの可能性が残っていることは事実なので、今後の追加レポートに期待する。
Studentが何本かのレポートを上げているが、こちらはやや雑に感じるものが多い。送りバントの評価をなぜか得点ではなく勝率で行なっているが、これは自軍の投手の影響を受けるので好ましくない。例えば、自軍の投手が好投している試合では必然的に投手が打席に立ち送りバントをする機会が増えるはずである。盗塁の評価に至っては盗塁の成功数のみを扱っており、盗塁死を一切考慮していない。
コメント