かぼちゃの馬車事件を題材として、サラリーマン大家の実態や融資地獄に陥った場合の対処法などを解説している。
根底にあるのは、本来は先祖代々の地主や資産家が行ってきた不動産投資に、知識も資産も銀行との取引実績もないサラリーマンが参入するという歪み。これには、日本銀行の方針による金融緩和を受けて生まれたサラリーマン大家向けの融資が大きく関係している。こうして、多くのサラリーマン大家が採算の取れない物件を掴まされ、融資地獄に陥っている。
後半の融資地獄に陥った場合の対処法も良い。「借りたものは必ず返さなければならない」というモラルを一旦脇に置き、手元不如意の抗弁で生き残りを図って立て直すのは現実的な策だろう。
良書ではあるが、引用文のフォントの読みにくさだけは如何ともし難い。スマートデイズの悪辣さをフォントで表現したかったのかもしれないが、読みやすさを犠牲にしてまでやるべきことではなかったと思う。
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