冨田和成, プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか? その投資法と思想の本質

一般人にはあまり馴染みのないプライベートバンクのお話。

プライベートバンクは顧客の突飛な要望にも応えるカスタムメイドが売りだが、当然預かり資産によりプライベートバンカー1人が扱う顧客数が変わってくる。100万ドル以上の富裕層で55人、300万ドル以上の超富裕層で21人といったところが相場らしい (著者の留学時代の資料が元ネタとのことなので、今ではもう少し相場が上がっていると思う)。

主要なプライベートバンクの顧客管理プロセスが興味深い。多少の差はあれど、いずれも顧客の人生の究極のゴールは何かを理解した上で資産運用方法を決定していく部分は共通している。このあたりは棺桶リストの考え方とも共通していると感じる。

資産運用の方法自体はあまり目新しさはない。分散型ポートフォリオを組み、一発KOを避け、中長期で次世代を見据えた運用を考えるという、まさに王道を行くスタイル。

適切なポートフォリオを組んでの運用までは自分でもできる人が多いと思うが、税理士や弁護士といったプロの知識を利用できるのがプライベートバンクならではのメリット。税金関係は専門外の個人が安全ラインを知ることは実質的に不可能な仕組みなので、専門家の手を借りる必要がある。また、IPO株の優先割当や不動産投資による資産圧縮なども、同様にプライベートバンクを利用する理由になるだろう。

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