広尾晃, データ・ボール アナリストは野球をどう変えたのか

二部構成となっており、前半はプロ野球 (NPB) におけるデータ野球の最新情報を、後半は日米の野球記録の歴史をそれぞれ扱っている。

現代ではセイバーメトリクスやデータ野球を扱う本は多々あるが米国の最新情報を扱ったものが多く、本書のようにNPBにおける導入状況を扱った本は珍しい。各チームのアナリストの採用状況から、トラックマンを始めとする測定機器の導入状況、果ては日本野球学会の動向まで、まさに作者の地道な取材が結実したもの。

数字のスポーツとして楽しめる野球の土台を形作る野球記録の歴史も興味深い。ヘンリー・チャドウィックのボックススコアに始まり “記録の神様” たちが発展させていった歴史も、特に日本における歩みを語る類書は少なく、貴重な記録と言える。

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