脳科学に踏み込んだ本だが、脳というものは深く見れば見るほど欠陥ばかりが目立つ器官である。この原因は、脳がその場しのぎの繰り返しで作られたことによる。小脳や中脳といった脳の古い部分は進化の過程で変化せずに生き残り、その上に大脳が建て増しされた構造となっている。そのために、視覚中枢などの基本的な部位はネズミと大差ない作りになっている。脳の重要な機能の一つである記憶も例外ではなく、そうした進化の過程で偶然発生したものに過ぎない。胎児期から幼児期にかけての発達段階における脳の配線が転用されたものと見られている。
デイビッド・J. リンデン(著), 夏目大(訳), つぎはぎだらけの脳と心 脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?

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