岡野原大輔, ヒトとAI
AIとの付き合い方を考える本。
現在のAIはすでに一般化、因果の把握、反実仮想、転移と頑健性、説明可能性といった能力を獲得しており、外形的にはものごとを “理解” しているといえる水準に達している。しかしながら、AIは当事者性が欠如しており、判断の結果を引き受けることはできない。AIを仕事に組み込むということは、こうした不一致を前提として仕事を再設計することである。
この当事者性がないという点はAIの本質によるものであり、技術の多少の進歩で解決できるものではない。AIを利用していく上で、今後も避けて通れない問題となるだろう。
Brian W. Kernighan(著), 久野靖(訳), ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室
カーニハンによるプリンストン大学の講義を書籍化したもの。原著は2011年、訳書は2013年の発行のため、AI・機械学習分野は漏れているが、そこさえカバーすれば今でもそのまま教科書として使用できる。情報専攻の学生には少々物足りないかもしれないが、専門外の学部生には十分な内容。
BNN編集部(編), TRPGのデザイン
表題からはゲームデザインを連想させるが、ここでいうデザインはグラフィックデザインの方。体系立ててデザインを学べる本ではないが、アイディア出しには良いかもしれない。巻末には流行りのマーダーミステリーのデザインも収録。
左右社編集部(編), 〆切本
誰もが名を知る文豪から漫画家まで、90名の著者の〆切にまつわる話を集めた企画本。少し変わったところでは心理学者の樋口収による締め切り研究まで収録されている。作家というものは誰もが〆切とは切り離せない関係なわけで、そこに着目した企画の勝利と言える。いずれも出典がきちんと載っているので、気になる作家の続きが読めるのも良い。