我孫子武丸, 人形はこたつで推理する
安楽椅子探偵モノの連作短編集だが、探偵役が腹話術人形というところがひとひねり。最終話はこの設定が生かされた良作。第2話は密室ものだが、こちらもひとひねりしてあり面白い。
飲茶, 史上最強の哲学入門
哲学入門書。ここまで刃牙に寄せる必要があったのかは疑問であるし、内容もあまりに簡略化しすぎているが、入門書として大掴みするだけに絞れば悪くない。
中島義道, 哲学者というならず者がいる
今はなき新潮45の連載をまとめたもの。
哲学者の問いの立て方には、世の中で当たり前とされている態度や、みんなと同じように感じることを疑うという姿勢が根底にある。そうした姿勢を貫きながらも、ときに身の保全のためには汚い態度も許容するならず者である著者の生き方に強い親近感を覚える。時折触れられる大学教師としての生活も哲学者としての筋を通しており、見習う点がある。
グレゴリー・コクラン(著), ヘンリー・ハーペンディング(著), 古川奈々子(訳), 一万年の進化爆発
人類は文化的・社会的な要因により予想以上の速度で進化していたという説。
農耕の開始が高々数百年から数千年というオーダでの自然選択を引き起こしたというのにも驚くが、アシュケナージ系ユダヤ人に至っては迫害などの社会的な理由によりさらに短期間で自然選択が働いたとされる。まだ反論はあるだろうが、さまざまな証拠がこの説を後押ししているように思える。