リバタリアン (自由原理主義者) である著者が、「自由」とは何であるかを語るため、あえて本来は不道徳と思われる者たちを擁護する。売春婦、麻薬密売人、恐喝者、ダフ屋、闇金融、幼い子どもをはたらかせる資本家等は、現代社会では不道徳と見なされているが、リバタリアンの視点から見ればどれも何の問題もない人間同士の自発的な取引に過ぎない。
本書は橘玲氏のカラーが強く出た一冊となっている。翻訳はかなりの超訳で、日本の現状に合わせた大幅な改版をおこなっている (例えばSlandererとLibelerを2ちゃんねらーと訳すなど) が、論旨は保たれる様に細心の注意がはらわれている。また、まえがき代わりに橘氏の「はじめてのリバタリアニズム」が収められているが、これもお勧め。
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