クリス・ヒューズ(著), 櫻井祐子 (訳), 1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法

Facebookの共同創業者による自伝と保証所得の提案。

本書の多くの部分を占める自伝は、とてつもない成功体験に対する罪悪感が占めている。さほど裕福ではない家庭に生まれた著者は、マーク・ザッカーバーグのルームメイトになるという幸運 (著者は幸運を強調しているが、努力してハーバード大に入学し初期のFacebookで重要な役割を果たしているので、謙遜のし過ぎだとは思う) から巨万の富を得たが、これが現代の勝者総取り経済が内包する拡大力によるものであると述べる。

こうした経済の負の側面として生活不安低層を生み出している点があり、その解決策として保証所得が提案される。これは、

年収五万ドル未満の世帯の、何らかのかたちで働いている成人一人につき月五〇〇ドルの保証所得を政府が支給する。

というもので、困窮労働者のみを対象とするという点でユニバーサル・ベーシックインカム (UBI) とはまったく異なる。またこれだけで生きていくには不十分だが、生活を安定させて自分や家族に投資し、夢を追いかける尊厳と自由を得るには十分な金額だ。人は最低生活水準から離れれば離れるほど、根本的な問題をじっくり考えられるようになる。

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