book

ヨリス・ライエンダイク(著), 田口俊樹(訳), 高山真由美(訳), こうして世界は誤解する ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

中東のアラブ世界で特派員を務めたオランダ人記者の手記。現場でニュースが作られるまでの過程やその中での一記者の無力感、ジャーナリズムの限界などがよく伝わってくる良書。唯一残念なのは翻訳が今ひとつなところ。文章がこなれておらず、素直に入ってこない。
comic

たかはしみき, 東京もぐもぐおいしいもの探し

こげぱんで有名なたかはしみきによる食べ歩き記。ややスイーツ比率が高めで、食事は控え目。銀座や神楽坂などのお洒落エリアと浅草などの下町エリアを中心に有名どころを押さえているので、これまで東京にあまり縁がなかった人向けのガイドブックとしておすすめできる。
comic

押切蓮介, ハイスコアガール (4)

ハイスコアガールの新刊。高校生編に突入。段々とラブコメ比率が上がって来ているが、ゲーム馬鹿っぷりが全くブレないハルオには好感が持てる。
comic

水木しげる, コミック昭和史 (第3巻) 日中全面戦争~太平洋戦争開始

シリーズ3巻目となり、遂に太平洋戦争開戦。日本全体の出来事の部分は独自の見解も少なくやや退屈だが、水木しげる個人のエピソードはどれも抜群に面白い。入隊後も決して自分のペースを崩さず、食い意地だけは張っている様は実に愛らしい。
book

田口理穂, 中島さおり, 靴家さちこ, 伊藤雅雄, 伊万里穂子, 内田泉, 有馬めぐむ, 「お手本の国」のウソ

日本でよくお手本として語られる国々の実態を語る企画本。「フィンランドは世界一の教育大国」、「フランスは少子化問題を乗り越えた」など、全7ヶ国。いずれの国もデータによる裏付けは添え物程度で、中心になるのは当該国在住の著者による生の声。あくまでもその国に住む外国人の視点とはいえ、肌感覚が感じられるのは興味深い。
book

Bill Karwin(著), 和田卓人(監訳), 和田省二(監訳), 児島修(訳), SQLアンチパターン

SQLで陥りがちな間違いを集めたアンチパターン集。どれも見覚えのあるものばかりで身につまされる。解説も非常に的確で、対処法はもちろんのこと、あえてアンチパターンを使うべき場面まできちんと論じられているのが良い。翻訳の質も良く、SQLに関わる仕事をしている向きには間違いなくおすすめできる。
comic

水木しげる, コミック昭和史 (第2巻) 満州事変~日中全面戦争

コミック昭和史の続編。少しづつきな臭くなってくる日本全体と、成長してきたしげる少年の呑気さとの対比が実に印象的。一般の市民の雰囲気は実際にこんなものだったのだろう。
book

青木昌彦(編著), 安藤晴彦(編著), モジュール化 新しい産業アーキテクチャの本質

"モジュール化" という単語は聞いたことがあるというレベルで読み始め、その理解の浅さに気付かされた。モジュール化とは、字面から想像される単に機能ブロックごとに切り分けるだけのものではなく、摺り合わせのコストを下げるとともに競争圧力を高めるものであることがよく分かる。机上の論理だけではなく、自動車産業や半導体露光装置産業、ゲーム産業など様々な産業の実例も豊富に含まれており、この一冊だけでモジュール化の分野を概観できる。おすすめ。
book

山科勇樹, 食の冒険家 アジアの缶詰を食べ歩く

普通の大学生がアジアの缶詰を買ってきて食べるだけのエッセイ。日本でも比較的入手が容易なものが多く、珍奇さという意味では今ひとつ。ボリュームも文体も軽めなので、ちょっとした箸休めに。
book

河口俊彦, 大山康晴の晩節

大山康晴を扱った本は数あれど、その晩年の粘りや執念を主題に持ってきたところがこの本の持ち味。その時代を将棋界の中から見つめていた著者ならではの作品。大山の生き方を語る上ではやはり棋譜が外せない。文中にも棋譜が多く挿入されており、その一手一手がまさにその時々の大山の内面を反映していることがよく分かる。棋譜を飛ばしながらでも筋が追えるように工夫されているが、やはりここは頑張って棋譜を追ってみたい。