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川島博之, 「食料自給率」の罠 輸出が日本の農業を強くする

「食糧危機」をあおってはいけない以来の、世界的な食料余りのスタンスは全く変わらず。今作ではそれをさらに発展させ、日本の農業を産業して成り立たせるための方策を論じる。端的に言ってカロリーベースの食料自給率を上げるということは、儲からない穀物の生産を無理に押し上げることであり、採算を取ることは難しい。無理に辻褄を合わせるのならば農地の大規模化を推し進めるしかないが、これはこれで政治的な理由により難しい。となると、現実的に可能なのはオランダ型の農業となる。オランダは穀物自給率 (カ...
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ASIOS, 謎解き 古代文明

今作は少し毛色を変えて、超古代文明とオーパーツが中心。構成は従来のシリーズと同じだが、真実が良くわかっていないものも多い分野なので、少々歯切れが悪い箇所がある。読み物の一つとして楽しまれたい。
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中田亨, 「事務ミス」をナメるな!

ヒューマンエラーの専門家による事務ミスの本。ヒューマンエラーの本というと生産現場に関するものが多く、事務処理に焦点を当てたものはやや珍しい。理論とケーススタディの双方をきちんとカバーしており、実に理解しやすい。特にケーススタディの方は多くの企業で見られる様なケースを適切に抽出してあり、すとんと腹落ちする。おすすめ。
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大崎裕史, 日本ラーメン秘史

秘史というほど秘密の内容が含まれているわけではないが、ラーメンの (短い) 歴史を俯瞰するには良い本。あくまで広く浅くの新書なので、話のネタ程度に。
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穂積, 式の前日

新人作家のデビュー短篇集。フラワーコミックスからの出版だが、少女漫画風味は控え目。作品ごとにやや当たり外れがあり、中編のものはややたるみ気味。一方で短編は、ややベタなストーリーながら叙述トリック的な構成を上手く盛り込んでおり、見事に裏切ってくれる。
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ASIOS, 謎解き 超常現象 III

シリーズ3冊目となったが、さすがに有名所の超常現象は前2冊でやり尽くした感があり、小粒なネタが多い印象。超常現象マニア以外には知られていない様なものも多いが、読み物としては水準以上。
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塚本宇兵, 指紋は語る “指紋の神様” と呼ばれた男の事件簿

警視庁鑑識研究所長まで務めた著者による指紋の入門書。指紋の基礎から説明されており、一切の予備知識無しで読める。また、さすがに現場の大ベテランだけあり、現場での採取方法や指紋を用いた推理の実例などの情報が非常に豊富。ヘタな推理小説よりもよっぽど面白く読める。少し不満だったのは、誤認逮捕を誘発しかねない第二種過誤の可能性に関する詰めが甘いところか。特徴点の多さを拠り所に説明しているが、各特徴点が独立であることを暗黙の前提としているのはいただけない。また確率の概算を行う際に、特定の...
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岩村暢子, 家族の勝手でしょ! 写真274枚で見る食卓の喜劇

現代の食卓の実態を調査する "食DRIVE" の成果をまとめたもの。対象が対象だけに定性評価の手法を用いているのは問題ない。実験参加者に一週間分の食卓を撮影してもらい、その前後に質問紙調査とインタビューを行う方法も問題ない。問題は、その後の定性分析の過程が全く示されていないこと。そのために、著者が読者受けしそうな見出しを考え、それに合った都合の良い結果だけを抜き出している印象が拭えない。もちろん、きちんとした定性分析によって見出しとなる要素を抽出している可能性もあるのだが、本...
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エドアルド・ポーター(著), 月沢李歌子(訳), 「生き方」の値段 なぜあなたは合理的に選択できないのか?

行動経済学の本だが、研究者ではなくジャーナリストがまとめた本ということもあり非常に読みやすい。原題の "The Price of Everything" が示す通り、扱われているテーマは実に幅広い。生命や幸福、信仰など、行動経済学の守備範囲の広さを感じさせてくれる一冊。
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ジム・クレイマー(著), 井手正介(訳), 吉川絵美(訳), 全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦

アクティブ投資寄りの株式投資本。テクニカルではなくファンダメンタルズ系。従来型の "Buy and Hold" ではなく、"Buy and Homework" により、適切な売り時を見抜こうという考え。この考えからも分かる通り、短期の投機的売買に肯定的であり、効率的市場仮説にはやや否定的。感情的には納得してしまいそうになる部分も多いが、定量的な分析が示されないのが致命的。著者の主観的な判断基準も多いため、自分で裏を取るのも難しい。内容とは関係ないが、原題の "Jim Cram...