book

「図書」編集部 (編), 書斎の王様

14人の知識人がそれぞれの書斎を紹介するエッセイ集。大学教授と作家が多め。 電子書籍どころかPCの普及もまだ進んでいない1980年代 (ワープロを導入している著者もいるがまだ少数派) だけに、紙の本とどう戦っていくかが話題の中心。このあたりは今の時代でも変わらず共感できる。 また、そんな時代でも喫茶店や電車内など自宅外に書斎を求めるノマド的なスタイルを模索している者も案外多いのが新鮮。
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成毛眞, 40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。 新・ミドルエイジ論

タイトルはやや釣り気味だが、ミドルエイジ向きのメッセージ中心ではある。 著者自身が気に入ったものはべた褒めし、気に入らないものは徹底的にこき下ろす作風なので、波長が合う人には楽しめるかもしれない。ミステリなどあまり詳しくないと思われる分野への意見が的はずれなのはご愛嬌。
diary

リスボンとカシュカイシュ

お仕事で初めてのリスボン。というよりもカシュカイシュ。 最寄りの空港はリスボンのウンベルト・デルガード空港。そこからカシュカイシュまでタクシーでも良い距離だが、カイス・ド・ソドレ駅から海辺を走るカスカイス線が楽しい海辺の街だけあって、食事は美味しい。ただしカシュカイシュはリゾート地でもあるので、観光客目当ての店を避ける必要はある浜辺はジョギングをするのにも最適
comic

石坂啓, アイム ホーム (上) (下)

そろそろ古典と言えそうな作品ではあるが、まだ読んでいなかったので今更ながら。数年前にテレビドラマ化された際の新装版で。ドラマは観ていない。 序盤からとにかく印象的な仮面の謎でぐいぐいと引っ張ってくれる。他にも多数の鍵や断片的な記憶など謎解きの要素は多数あるのだが、仮面の画的なインパクトの前に霞んでしまう。 ラストは賛否も解釈も分かれそうだが、私は高く評価したい。
book

小宮山悟, 日本人投手がメジャーで故障する理由

よく言われる日本人投手の投げすぎの他、ローテーションの違い、フォームに対する考え方の違いなどを中心に、日本人投手の故障する原因を論じる。定量評価がない点はセイバーメトリクス本が溢れている現代では物足りなさを感じるが、アメリカの中4日ローテーションの背景にあるお金の問題など元メジャーリーガーならではの視点は示唆に富む。 文章や構成はやや難あり。編集はもう少し仕事をして欲しい。
comic

押切蓮介, ハイスコアガール (7)

復活後もまったくペースが衰えない。大野と日高の激突、豪指の渋谷移籍、本格的なラブコメ展開と盛りだくさん。
book

下地寛也, コクヨの1分間プレゼンテーション

プレゼンのTIPS集。 タイトルを見るとライトニングトークを扱った本に見えるが、それほど特化した内容ではなくプレゼン一般に活用できる内容が多い。スライド作りよりもトークを中心に据えているのも良い。
comic

矢崎結子, 渡辺アビ, バッドビート! 辻堂真夏のポーカー戦線 (1)

これだけ頭脳バトルマンガが乱立する中で、なぜか今まで誰も手を付けていなかったテキサス・ホールデムを中心に持ってきたのがミソ。 契約特区の設定やいわゆる能力モノなどややてんこ盛り過ぎる感はあるが、マンガとしてのテンポは悪くない。今後も楽しみな作品。
book

モートン・ルー(著), 小柴一(訳), ザ・ウェーブ

実話を下敷きにした小説。 ファシズム的な環境を作る実験授業をテーマにしており、あれよあれよという間に教師すら制御不可能なところへ暴走してしまう様には空恐ろしさを感じる。 内容は文句ないが、翻訳は直訳調で今ひとつ。
comic

鈴木良雄, フルーツ宅配便 (1)

デリヘルをテーマにした作品だが、性描写ではなく人情で読ませるタイプ。フィクションの体裁ながら、丹念な取材が伺える良作。