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ゲキ, 元祖女子山マンガ でこでこてっぺん

山ヤのあるあるマンガ。山と渓谷の17年に及ぶ地味な連載が一冊に。日常ギャグマンガではあるのだけれど、根底に山への愛が感じられるのが良い。
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ウイリアム・ブロード(著), ニコラス・ウェイド(著), 牧野賢治(訳), 背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?

STAP細胞の騒動を受けて緊急出版されたという触れ込みだが、話題に合わせて急遽でっち上げた様ないい加減な本ではない。原本は1982年の出版で、過去に邦訳も出ていた本を新装したもの。捏造問題は決して科学者個人の資質によるものではなく、構造的に不可避な問題であることがよく分かる。出世主義、盲信、師弟関係の圧力などの多くの要因から逃れるのは決して容易なことではない。事実、歴史的な科学者達の論文にも捏造の跡が多数発見されているのだ。
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山田真哉, 花輪陽子, 「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。」

ニコニコ生放送の税理士とファイナンシャルプランナーによる対談を単行本化したもの。税金や年金、保険、クレジットカードの仕組みの紹介が中心。かなり初心者向けの内容なので、今までこのあたりに興味のなかった人向けか。
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例のプール研究会(編・著), 例のプール

完全に出オチなのだけれど、単行本にまとめてしまおうという勢いは評価できる。内容はスカスカであまり読むところもないので、ネタ本としてどうぞ。
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ナシーム・ニコラス・タレブ(著), 望月衛(訳), まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

タレブの代表作の一つ。リスクの数学的な話よりはもう少しメタな話。皮肉に満ちた語り口は好みが分かれるところだと思うが、世間で生存バイアスが軽視されすぎているという主張自体は納得できる。
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寄藤文平, ラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホン

大人たばこ養成講座で有名な寄藤文平によるラクガキ指南。絵心のない人間にはラクガキと言ってもレベルが高すぎる気もするが、読み物としては上々。
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吉長成恭(編), 中川重年(編), 関根秀樹(編), 焚き火大全

アウトドア本は数あれど、焚き火というものをここまで掘り下げた本はまさに空前絶後。単なるノウハウ本の粋を超えて、文化や風俗の視点からも評価できるまでに昇華している。周辺情報も充実しており、焚き付けの集め方から焚き火を利用した調理、焚き火を取り上げた芸術作品、世界の焚き火事情まで隙がない。
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トマス・J・スタンリー(著), ウィリアム・D・ダンコ(著), 斎藤聖美(訳), 新版 となりの億万長者 成功を生む7つの法則

本書の "億万長者" とは、キャッシュフローが豊富な人ではなく、ストックが豊富な人のこと。億万長者の多くが倹約によりその資産を築いてきたことを統計データから明らかにする。データがやや古いのとサンプリングの適切さにはやや疑問が残るのとがやや残念だが、結論はさもありなんと思わせる。
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日下公人, 人間はなぜ戦争をするのか 日本人のための戦争設計学・序説

道徳のレベルではない、もう少し現実的な戦争論。後半のifの積み上げはさすがにややご都合主義に過ぎると感じるが、総論としては納得できる内容。
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山内志朗, ぎりぎり合格への論文マニュアル

普段読む論文の書き方マニュアルは理工系のものが多いが、これは人文学系の教授によるもの。とはいえ、論文の書き方の本質である主題や題材の定め方などは分野により異なるものでもないので、十分に参考になる。自ら偏執者を名乗る通り、細かな記号の使い方や体裁の整え方の記述も豊富。ただし、こちらは理工系の論文誌の作法とは少々異なる点もあるので、参照の際はご注意を。