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吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (1)

一部ではディストピア漫画などと呼ばれているようだが、読んでみるとその意味がよく分かる。著者自身はおそらくこづかい制の悲哀をユーモアたっぷりに描いている以上の意図はないのだろうが、定額で増える未来が見えないこづかい、即物的な快楽に偏った消費、異常にポジティブな登場人物たち、といった要素が重なるとやはりディストピアという言葉が浮かんでしまう。
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たかや健二, ぼくの藤子スタジオ日記 完全版

ぼくの藤子スタジオ日記に未収録の原稿をすべて追加したまさに完全版。合計224ページの大ボリュームで、装丁も商業誌並みとなった。藤子FCネオ・ユートピアより通信販売で購入。追加された原稿は、手塚治虫、方倉陽二、羽中ルイ、えびはら武司といった藤子スタジオに縁のあるレジェンドが続々と登場するもの。食道ガンで未完のままとなっている原稿が掲載されているのが悲しい。
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篠原健太, 彼方のアストラ (1) (2) (3) (4) (5)

少年ジャンプ+で短期集中連載された作品。きちんと少年マンガをしながらSFやミステリの要素も見事に取り込んでおり、大人でも存分に楽しめる。今どきのマンガながら無駄な引き伸ばしもなく完璧なまとめ方。謎が解けた後に再読すると、そこかしこにヒントが散りばめられていることに気付き、作者の構成力の高さがよく分かる。
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鈴木小波, 魔女の箱庭と魔女の蟲籠 鈴木小波短編集

ホクサイと飯が良かったのでこちらも。作風は大きく異なり、ややわかりにくいお話や不条理なお話も多く、実験的な短編と感じるものもある。
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寺門ジモン(原作), 刃森尊(漫画), ネイチャージモン (1)

テレビの中ではダチョウ倶楽部の目立たない人として認識されている寺門ジモンだが、一歩踏み込んでみるとこれが面白い。どのジャンルにしろ極めるまでのめり込んだ人間の話は興味深いものだが、クワガタと焼き肉に異常なまでの執念を燃やす人間の話が面白くないわけがない
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伊瀬勝良(原作), 横田卓馬(漫画), すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 (5)

グランプリ京都99を舞台に、かなりラブコメ路線に振ってきた。今回のプロモカードは当時はまだ現役だった暗黒の儀式/Dark Ritual。新枠なのが少々惜しい。
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小川かりん, もっと! 夜行バスで出かけましょう

夜行バスレポートマンガ。ポップな絵柄で今どきの夜行バス事情を教えてくれる。欲を言えばもう少しボリュームが欲しいところ。
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泉昌之, 食の軍師 (7)

今巻のテーマは朝食。ホテルの朝食バイキングなど既視感があったり、オチも力石頼みだったりするが、それも含めてマンネリが気持ち良い。
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Q.B.B., 久住昌之(作), 久住卓也(画), 古本屋台

古本屋台というどう考えてもありえない設定ながら、そのぬくもりがリアルに感じられる不思議な作品。泉晴紀とはまた違った味のある絵も良い。
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panpanya, 蟹に誘われて

昨日見た夢をそのままマンガにしたような素敵な短編集。エッセイマンガのような人物画とところどころ妙に細部まで書き込まれた背景とのバランスも新鮮。