book 小牟田哲彦, 鉄道と国家 「我田引鉄」の近現代史 政治の視点から見た鉄道史。鉄道絡みの歴史上のエピソードには興味深いものが多く、単純に読み物として面白い。歴史を辿り、限られた証拠から関係者の思惑を読み解き、と文句なし。ただし最終章の "海外への日本鉄道進出" は唐突に外交に関する私見が始まり、やや蛇足感がある。 2013-09-02 book
book 三橋貴明, マスゴミ崩壊 さらばレガシーメディア 既存マスコミに対する批判本。従来からネット上で頻繁に語られているマスコミ批判やマスコミの凋落の原因をまとめた体裁であまり新味はないが、今まであまりマスコミに関して興味を持たなかった人が一冊目に読むには良い内容。 2013-09-01 book
book 櫻井武, 食欲の科学 ブルーバックスらしい硬派な "食欲" の解説本。脳生理学の歴史の中でどのような実験を通じてレプチンや各種の神経ペプチドの発見に至ったかがストーリー仕立てになっており、実にわかりやすい。なお、本書はあくまでも科学本なので、直接ダイエットの役に立つような知識はほとんどない。 2013-08-28 book
book 三品和広, どうする? 日本企業 日本企業の衰退の原因を6つの視点から探る。売上高の成長を追い求めたために生じた利益率の低下、コンフォーマンス・クオリティを追い求めたために生じたパフォーマンス・クオリティの低下など、ある面での成功が他の成功を奪ってしまう事例は実に刺激的。 2013-08-27 book
comic ヤマザキマリ, イタリア家族 風林火山 モーレツ! イタリア家族の続編。連載が進むに連れて本音がこぼれるような場面が増えてきた。ストレスの捌け口を覗いているようで、これはこれで面白い。 2013-08-26 comic
comic ヤマザキマリ, モーレツ! イタリア家族 テルマエ・ロマエで一山当てたヤマザキマリの初期作品。タイトルからはイタリア文化ネタを期待してしまうが、イタリアというよりは身内ネタが多い。ところどころに面白いネタはあるのだが、マンガとしてこなれていない印象。 2013-08-25 comic
book 成毛眞, 面白い本 特に脈絡なく集められた各ジャンルの100冊の書評集だが、"面白い" という点だけは首尾一貫している。著者が読書を道楽と定義している点が素晴らしい。何かの役に立つような読書ではなく、純粋に読書それ自身を楽しもうという姿勢には共感できる。肝心の書評も、自分が面白いと思うものだけを取り上げていることもあり、熱が感じられる。ジャンルがノンフィクションとサイエンスにやや偏っているのはご愛嬌か。 2013-08-24 book
book 南直人, ヨーロッパの舌はどう変わったか 十九世紀食卓革命 19世紀に起きた社会構造の変化がヨーロッパの食生活に与えた影響を解説する。新世界から得られた新たな食材 (ジャガイモ、トウモロコシ、コーヒー、紅茶) や新たな食品加工方法の発明 (缶詰やマーガリン) はもちろんのこと、都市化に伴う人口変動や流通の発達、テーブルマナーの洗練といった社会的な要因がヨーロッパの食生活に様々な影響を与えてきたことがよく分かる。 2013-08-22 book
book 岡崎武志, 蔵書の苦しみ タイトル通りの、蔵書をテーマにしたエッセイ集。著者自身の体験を中心に、知人や過去の文豪達の蔵書に関するエピソードなども。本好きの人間には共感できる内容も多い。後半ではこの蔵書の苦しみの救世主となる可能性を秘めている電子書籍についても少しだけ触れているが、ITには疎いらしくやや上滑りしている様に感じる。 2013-08-19 book
book 大橋悦夫, 佐々木正悟, スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術 自己啓発本とライフハックを合わせたようなスタイル。小ネタを詰め込んだ構成で読みやすい。GTD (Getting Things Done) の影響を受けていることもあり、親和性も高め。GTDを導入している人が補完的に読むのも良いかもしれない。IT系の小ネタには数合わせ的なものも見られるのがやや残念。 2013-08-18 book