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泉昌之(監修), 『食の軍師』戦場グルメガイド

食の軍師シリーズのファンブック。作品に登場したお店12店をカラー記事で紹介。 巻末にはトレンチコートの男、本郷が初登場した『夜行』も収録。今読み返してみると、この頃には現在のスタイルが完全に確立されていた。
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山口揚平, 知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ

株式投資の入門書。 素朴なファンダメンタルズ寄りで、個別株投資、特に小型割安成長株投資によりキャピタルゲインを得ることを推奨している。ただし、提案している投資手法の実績やエビデンスは示されない。また、推奨するしないはともかくとして、初心者向けの入門書でインデックスファンドを紹介すらしないのはいかがなものかとは思う。 それでも、有価証券報告書の読み方などをきちんと解説しているのはまだ良心的。また、原因-結果と過去-将来の2軸で企業を評価する因果のマトリクス、投資家のスタイルを分...
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戸川幸夫(作), 矢口高雄 (画), 野性伝説 羆風 飴色角と三本指

あの三毛別羆事件のマンガ。戸川幸夫の原作をベースに、木村盛武による調査成果を盛り込んでいる。羆視点のパートなどマンガとしての脚色が過ぎる部分もあるものの、史実とエンターテイメントを高いレベルで両立させている。野生動物と人間の双方に高い敬意が感じられるのも良い。
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さーたり, 中山哲夫, 感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた

医者兼マンガ家の手によるコミックエッセイでウイルスの基本が学べる。もちろん、新型コロナウイルスも取り上げられている。専門家自身が執筆しているだけあって内容は正確なのだが、抗生剤や抗原などいくつかの専門用語が説明なく登場するのは残念。索引も欲しいところ。 予防医学が報われないという話は身につまされる。IT系の運用も同じだが、似たような話は随所にあるだろう。
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堀江貴文(原作), 西アズナブル (漫画), 刑務所いたけど何か質問ある? マンガ『刑務所なう。& わず。』完全版

とのマンガ部分を切り出して再編集したもの。収監までの過程はなく、刑務所内での日常生活が中心。どこまでが事実でどこからが脚色かわからないが、また刑務所という環境に染まっていたこともあるのかもしれないが、本書を見る限りは堀江貴文は意外にマジメな人なのだと感じる。
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矢部太郎, 大家さんと僕

少し前のベストセラー。日常エッセイマンガではあるが大家さんの存在があまりに非日常的であり、居候モノのようにも感じる。
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大石浩二, トマトイプーのリコピン (4)

前巻から2年ぶりの新刊。 残念ながらジャンプ版の収録はないが、ジャンプ+版の攻めたネタや実験的な作品が漏れなく収録されているのは嬉しい。巻末には矢倉の囲いも収録。
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伊瀬勝良(原作), 横田卓馬(漫画), すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 (7)

八雲も本格的に参戦しラブコメ寄りになっていたところにまさかの新キャラ投入。 M:tGの方はついに第6版 (Classic) に突入。埋葬/Buryが廃語となり、表題の元ネタの「すべてのクリーチャーを破壊する。それらは再生できない」のテキストが登場。 今回のプロモカードは待ってましたの対抗呪文/Counterspell。イラストはもちろん第6版のもの (ただし新枠)。
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ジョン・ケネス・ガルブレイス(著), 鈴木哲太郎(訳), [新版] バブルの物語 人々はなぜ「熱狂」を繰り返すのか

バブルを引き起こす陶酔的熱病 (ユーフォリア/Euphoria) は繰り返し起こる現象であり、それから身を守るのは集団的狂気へ突っ走ることに共通する特徴の認識であるとと説く。それは具体的には、金融の天才の登場であったり、てこ (レバレッジ) の再発見であったり、何か新奇らしく見えるものであったりする。古典的なケースであるチューリップ狂やサウスシー・バブルでもこれらの特徴が見られる。 本書は徹頭徹尾、警告の書として書かれている。金融上の記憶は高々20年程度 (新しい世代の人が舞...
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隠岐さや香, 文系と理系はなぜ分かれたのか

文系と理系というよく話題に挙がる割にその正体がよくわからない区分を、科学史の観点から追いかけた良書。 文系と理系という分け方は自明なものではなく、中世に大学が生まれた時点の上級 (専門) 学部は神学、医学、法学のみで、いわゆる理系分野は下級 (学芸) 学部の自由学芸七科に押し込められていた。近代的な自然科学が形成されるのは17世紀以降で、経済学や社会科学の原型が作られるにはさらに時間を要している。文系と理系という分類が欧米諸国に登場するのは、20世紀初頭のリッケルトを待たなけ...