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九井諒子, ダンジョン飯 (10)

狂乱の魔術師のストーリーも佳境に入りシリアスな局面が増えてきたが、そんな中でもボーパルバニー編でしっかりとユーモアと料理を入れてくるバランスには天才的なものを感じる。
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土井善晴, ふだんの料理がおいしくなる理由 「きれい」な味作りのレッスン

一見よくあるレシピ本だが、「きれい」な料理がおいしいという思想が根底に流れているのがミソ。多分に精神論的ではあるが、「きれい」なお料理というのは、「食べ頃」をとらえたお料理でもあります。カラリと揚がったきれいなキツネ色のあじフライをおいしそうに感じるのは、それが「食べ頃」を示しているから。目玉焼きの白身のまわりのチリチリも、食べておいしいと感じる火の通り方になっている合図だし、じっくり煮た大根のべっこう色も、味がそこまでしみているというしるし。自分の目で見て「きれいだな」と思...
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合田真, 20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る

日本植物燃料株式会社を創設した合田真の自伝。細かいビジネスの話の前に、"新しいお金のものがたり" と称する新たな経済構造の仕組みを提案しているのが興味深い。歴史上散見される金利の禁止が、現代のような資源制約期 (原油生産量がピークを迎えている) では合理的だと論じる。この思想が複利で稼ぐのではない収益分配型モバイルバンクのビジネス立ち上げにつながっている。
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神永正博, 食える数学

博士号取得後に民間の研究所へ務めた経歴から、現場での数学の役に立たなさをユーモアたっぷりに語るエッセイ集。もちろん本当に数学が役に立たないというわけではなく、証明をメインとする "数学科数学" が工学ではそこまで必要とされていないという話なのだけれど。
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田中久美子(監修), #名画で学ぶ主婦業 主婦は再びつぶやく

Twitterで流行した主婦業あるあるをまとめたネタ本。元がネットの投稿ネタのため、どこから読んでも気軽に楽しめる。の続編だが、気付かずにこちらから読んでしまった。
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ぬら次郎, 猫パン日記 幸せを運ぶねこと厄よびパンダ (3)

前巻までの過剰な勢いは少し落ち着き、猫と暮らす日常漫画として安定してきた。
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橘玲, 朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論

朝日新聞のリベラリズム (戦後民主主義) が嫌われ、日本のリベラルが退潮しているように見えるのは、それらがグローバルスタンダードのリベラリズムと乖離しているためと説く。グローバルスタンダードのリベラル (ネオリベ) に最も近いのは現在の自民党政権の経済政策だが、安全保障の分野では保守の立場を取っていることから右と左の関係が混乱し、リベラルの理解が妨げられているのだろう。
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米本和広, 島田裕巳, 大川隆法の霊言 神理百問百答

米本和広にしては珍しい、ユーモアたっぷりの大川隆法本。氏の著作をしっかりと読み込んだ上で大村英昭や佐伯真光といった本職の学者に裏を取ってのツッコミはさすがとしか言いようがない。島田裕巳による大川隆法の出自からの心理分析は少々邪推が過ぎるとは思うが、さもありなんと思わせる部分がある。
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宮口幸治, ケーキの切れない非行少年たち

表題はキャッチーだが、中身はきちんとした発達障害の啓蒙書。現在多くの施設の治療プログラムの根幹となっている認知行動療法に異を唱え、そもそも認知能力に問題がある場合の効果が懐疑的であると説く。著者の児童精神科医としての勤務経験に基づいた理論は実に説得力がある。
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カルロ・ゼン(原作), 石田点(漫画), テロール教授の怪しい授業 (1)

テロリストやカルトをテーマにしたマンガ。特に彼らの標的となりやすい大学を舞台に、その実態や見分け方を学べる。