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内藤忍, こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義

いわゆる普通のマネーリテラシ本。既にこの手の類書を複数読んでいる人が新たに得られる情報はあまりないが、トンデモ度は低いので一冊目としてはおすすめ。
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西村賢太, 苦役列車

芥川賞フィーバーが去ったので読んでみる。怠惰とその結果としての孤独や窮乏を嫌というほど見せつけられるだけの作品なのだが、自身もそこから紙一重であることに気づくと陰鬱とした気分になってくる。
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鬼頭莫宏, のりりん (3)

レースマンガの振りをしながら、UCIのレギュレーション問題や微妙な道路交通法をネタにする。レース部分はセコいといえばセコい展開なのだけれど、それを素直に楽しめるか。
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よしたに, ぼくの体はツーアウト (1)

自分と同年代の著者による自虐的ヘルスケアマンガ。さすがにこれほど不健康な生活はしていないと思いながらも、食生活の乱れなどは他人ごとではない。
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石川貴康, サラリーマンは自宅を買うな ゼロ年世代の「自宅を買わない生き方」

前半部分は一般的な持ち家のリスクを述べたものでまともな内容。頷ける部分も多い。問題は後半の不動産投資を薦めている部分。本質的には持ち家と不動産投資は同じものであり賃借料を自分が払うか他人が払うかの違いだけだが、その一方を貶しながらもう一方を持ち上げているのは腑に落ちない。また前半部分との不整合に目を瞑っても、不動産投資のリスクや他の投資方法との比較が欠けており説得力がない。
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蛇蔵(構成・漫画), 海野凪子(原作), 日本人の知らない日本語

日本語教師によるエッセイマンガ。体系だった本ではなく細切れのエッセイなので日本語本としてみるとあまり見るところはないが、さらりと読むマンガとしては文句なし。
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松尾貴史, ネタになる「統計データ」

松尾貴史の本なので、統計リテラシー系に斬り込む本かと思えばさにあらず。元が夕刊紙の連載で紙幅が限られていることもあり、統計調査1本に軽くツッコミを入れて小ネタを披露するのが精一杯。読み物としては上々。
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石戸谷結子(著), 井辻朱美(著), 加藤浩子(著), 楠瀬寿賀子(著), 中野京子(著), 山口眞子(著), 朝倉めぐみ(イラスト), オペラ・ギャラリー50

オペラの有名作品を各2~4ページで。豊富なイラストに加え、独自の登場人物ごとのハッピー/アンハッピー度グラフなどの工夫で読みやすい (さすがにハッピー/アンハッピーの一軸でまとめるのは無理がある箇所もあるが、理解の助けにはなる) 。著者陣もオペラに造形の深い人選で外れがない。
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小野俊哉, プロ野球解説者の嘘

流行のセイバーメトリクス系の本だが質は低い。基礎的な統計データの取り扱いが出来ていない。全体を通じて、統計的仮説検定に必要な対照群が設定されない議論がほとんどのため、都合のよい数値だけを抜き出している印象が拭えない。例えば第一章では1, 2番の出塁と3~5番の安打が勝敗に同程度の影響を与える主張しているが、1, 2番の安打や3~5番の出塁、6番以降の打撃成績にどの程度の影響があるのか語られることはない。第五章では過去の四割打者や高打率打者は打数が多い試合での打率が高いと主張し...
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久住昌之(原作), 水沢悦子(漫画), 花のズボラ飯 (2)

2巻になって登場人物も増え、ドラマが厚みを増してきた。その分、ズボラ飯というテーマがどこかへ行ってしまったような気がしないでもない。