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黒川伊保子, 恋するコンピュータ

AI屋さんのエッセイのようなもの。技術書ではないのであまり厳密な説明を期待してはいけないのだろうが、それにしても理論の飛躍や強引な推論が多い気がする。そこさえ目を瞑れば、読み物としてはおもしろい。
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吉村仁, 素数ゼミの謎

米国で13年もしくは17年毎に大発生する素数ゼミの謎に関する本。謎は大きく三つあり、「なぜ成虫になるのにこれほど長い時間がかかるのか」、「なぜ一斉に同じ場所で大発生するのか」、「なぜ13年と17年という素数なのか」。おそらく中学生程度の読者を想定しており、噛んで含める様に説明してくれるのは、大人にとってもありがたい。
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カート・ヴォネガット, 金原瑞人(訳), 国のない男

実はヴォネガットの本を読むのはほぼ初めて。爆笑問題の太田光が大絶賛の帯を書いているのが納得できる、そんな本だった。
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黒田龍之助, 世界の言語入門

世界の多様な言語のカタログなのだが、いわゆる百科事典的な記述ではなくエッセイ形式。各言語が見開き2ページで、全90言語が50音順に並ぶ。著者の専門とするスラヴ系の言語以外では言語名以外は何も知らないところから無理矢理捻り出したと感じられるようなものもあるが、言語学の素人が眺める分には面白い。
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平塚俊樹, Lawより証拠

証拠調査士 (エビデンサー) を自称する著者による、過去の案件とその解決手順の紹介。全ての案件で一貫して語られるのは、被害者自身が動かなければ何も解決しないということ。裁判などの法律的な手続きはあくまでも集められた証拠に基づいた処理を行うだけで、その証拠を集めるには被害者自身が労力をかけて動き回るしかないのだ。
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パオロ・マッツァリーノ, コドモダマシ ほろ苦教育劇場

パオロ氏の新刊。今回のテーマは教育ということで、子供のスルドい質問に父親たちが屁理屈をこねくり回す。相変わらず皮肉のきいた内容で、安定して面白い。また、"理論派お父さんのためのブックガイド" と称して、関連図書が (こちらも毒を交えて) 紹介されているのも嬉しい。
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デヴィッド・W・モラー(著), 山本光伸(訳), 詐欺師入門 騙しの天才たち:その華麗なる手口

1940年頃の作品の復刊なのだが、今でもあまり古さを感じさせない部分が多い。特に "カモを分析する" の章などは、騙される人間の本質は今でもあまり変わっていないのではないかと思わせる。あまり読みやすい本ではなく、ノンフィクション的な面白さには欠けるが、詐欺師たちの生き方や哲学を知るには良書。
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花輪和一, 刑務所の中

自身の刑務所体験を綴った漫画。制約の多い刑務所の生活なのだが、あまり悲壮感がなくユーモアすら感じる内容。特に食に関するエピソードが多いのは、やはり刑務所内の生活の楽しみはそれくらいしかないからか。
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玉村豊男, 健全なる美食

自身で農園も営んでいる著者によるレシピ集。ただのレシピの羅列だけではなく、その料理が生まれるまでの背景や、その料理に本質的に必要なのは何であるのかが述べられているのは楽しい。ただし、実際に作ろうと思うと少し敷居が高そうなものが多いのも事実。普段の食事というよりはもてなし用の料理か。
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ジェームズ・サーバー(著), 稲葉明雄(訳), 永井淳(訳), 村上博基(訳), 12人の指名打者 野球小説傑作選

"古き良きベースボール" をテーマに集められた12本の短編集。翻訳は今ひとつだが、それぞれ全く異なるテーマで書かれているので飽きずに楽しめる。全体的に当たりの作品が多いが、特に "新米審判" や "閃くスパイク" の様なベテランが新人を成長させるタイプのベタなストーリーが米国ベースボールの価値観を感じさせてくれて実にいい。